第二十話 再対決クチバの稲妻
 サトシがサントアンヌ号の船長のもとで修行を開始して五日後。
 ついにサトシがマチスとのジム戦を口に出し、三人はそろってクチバジムへと足を向けていた。
 場所は港より離れた海岸であった。
 電気タイプのライチュウを使うマチスらしく、雷の形をしたオブジェが入り口をまたぐように交差させられていた。
「ついにきたわね。ここまで来たからには、フシギダネの修行はバッチリなんでしょうね」
「だいたいは」
 なんとも頼りない台詞にルカサが膝を砕けさせるが、サトシは口ぶりほど不安そうにはしていなかった。
 むしろ自信にあふれているようにさえ見える。
「それじゃあ、僕らは何時も通り観客席で見せてもらうよ。フシギダネが、サトシがどう変わったのか」
「ああ、期待に答えて見せるぜ」
 そう言ったサトシはクチバジムの扉に手を添えると、ゆっくりと押し開けて言った。
「頼もう。オレンジバッヂを掛けたジム戦を申し込みたい」
「やはり来たな、ボーイ。ウェルカム、クチバジムへ」
 扉を開けた直ぐそこには、待ちわびたような台詞を吐いたマチスが腕を組んだ仁王立ちで待っていた。
 いきなり現れるとは思っていなかったサトシが、一部闘志を抑えきれず思わず身構えていた。
 さらに手は直ぐにでもフシギダネが出せるようにモンスターボールに伸びていた為、こんな所でとシゲルとルカサが驚いていた。
「焦るな、ボーイ。クチバジムのバトルフィールドへ案内するぜ」
 正面からぶつけられる闘志に笑みを浮かべながらも、受け流したマチスが先を歩き出した。
 シゲルとルカサに肩を叩かれたサトシは、入れ込みすぎだと言う言葉を貰い大きく息を吐いてからついていく。
 クチバジムの奥は、ポケモンではなくまるで人のが体を鍛えるジムの様でもあった。
 マチスが元軍人だったせいもあるのか、ポケモンと一緒に体を鍛えているトレーナー達が幾人もいた。
 その中の数人はマチスの後をついて歩くサトシたちへと興味深そうな視線を送っていた。
「オウ、プリティボーイ。あれがマチスを本気にさせたボーイ?」
「なんだまだガキじゃないか」
 遠慮のない感想はまだしも、ガキと言う言葉にはさすがにサトシはむっとしていた。
「ハッハッハ、気にするなボーイ。トレーナーは強くなれば注目もされる。注目されれば賞賛と同時に、誹謗中傷も受ける。一々まに受けていたらプレッシャーに潰されちまうぜ。もっともうちの連中はただの興味本位だがな」
「誹謗中傷か……ごく最近、あったねそういうことが」
「サントアンヌ号ね。なんか悲しいな、ただポケモンが大好きでやってる事ばっかりなのに」
 何もサトシたちは名誉が欲しくて、目立ちたい願望からロケット団に関わってきたわけではなかった。
 半分は巻き込まれる形で、ただポケモンたちを救いたい、悪さが許せない、唯一つ正義感からやってきただけである。
 だが何も知らないトレーナーたちからはそうは見えないらしい。
 そう言った決して綺麗ではない世の中の一部を、マチスは隠すことなく教えてくれた。
 オーキド博士の意図したものとは違えど、三人にとってマチスとの出会いはとてもありがたいものであった。
「さあついたぜ」
 三人の感謝の視線には気付かず、マチスはバトルフィールドがある部屋のドアを開けた。
 待っていたのは、何一つ特別なものがない平凡なバトルフィールドであった。
 地面は土で申し訳程度に岩が散らばっているだけで、電気タイプを得意とするマチスにとってプラスにもマイナスにもなりはしないだろう。
「電気タイプだからといって、金網デスマッチとしゃれ込むわけにも行かないからな。さて、そっちのボーイとガールは観客席へゴーだ」
 毎回尋ねられている事なのか、サトシたちが疑問の声を挟む前にマチスが言ってきた。
「言うまでもないが、全力をつくせよ」
「修行の成果って奴を楽しみにさせてもらうわ」
 二階部分にある観客席へと向かったシゲルとルカサを見送り、サトシはマチスへと振り返った。
 自分とフシギダネが五日前のあの日よりも強くなった自信は確かにあった。
 だがマチス以上に強く慣れたかと聞かれたならば、解らないとしか答えられなかった。
 全てはバトルが始まってからだと、バトルフィールドへと足を踏み入れる。
「さて、ボーイ。ここでのルールは一対一、どちらかのポケモンが気絶するかトレーナーが参ったと言うまで続けられる。もちろん俺のポケモンはコイツだ。ゴー、ライチュウ!」
「ラーイ!」
 ピカチュウの進化系とはとても思えない、ずっしりとした重量感のあるライチュウがバトルフィールドに飛び出した。
 対するサトシも手持ちのポケモンはすでに決めている。
 四つのモンスターボールの中から迷うことなくそれを掴むと、バトルフィールドの中へと向けて放り投げた。
「フシギダネ、君に決めた!」
「ダネ!」
 中央ラインを挟んで、ライチュウとフシギダネが互いに一歩も譲らぬように視線をぶつけ合う。
 一度敗北の屈辱を与えられたのにも関わらず、フシギダネは気後れすることなく真っ向から睨みつけていた。
 始めの合図があれば今すぐにでも飛びかかっていきそうな雰囲気である。
 明らかに入れ込みすぎなフシギダネを見て、サトシが声をあげた。
「フシギダネ、お前は。俺たちは強い。だから大丈夫だ、俺たちならどうにかなる!」
 サトシの言葉は一見フシギダネを煽っている様にも聞こえたが、不思議とフシギダネの興奮が収まりだした。
「ほう、確かに五日前とは違うようだ。さあ、ボーイ。バトルスタートだ!」
 マチスの合図によってついにクチバジムでのジム戦が始まった。
「フシギダネ、出し惜しみはなしだ。例の技で一気に決めるぞ」
「大きく出たな、ボーイ。だが俺のライチュウの動きを捉えられるか。ライチュウ、電光石火!」
「ラーイチュ!」
 大きな体格を揺らす暇もなく、地面を蹴ったライチュウの姿が掻き消えた。
 だがそれでもフシギダネはサトシの指示以降、目だった動きを見せなかった。
 ズダンと背後でライチュウの足音がしても、以前のように慌てて振り返る素振りは見せない。
 真冬の湖面のようにただ静かに、時が来るのを待っているようであった。
 フシギダネのあまりに静かな振る舞いに、バトルが始まって早々観客席の二人は手に汗を握っていた。
「すごい緊張感だ。フシギダネの奴、落ち着きすぎるほどに落ち着いてる。本当にこの数日で、いやこれが本来のフシギダネの姿かもしれない」
「あの子、下手するとサトシより頭いいから。実力さえ出せば、私たちのポケモンの中で一番強いはずよ」
 二人が感想を述べている間に動いたのは、マチスのライチュウであった。
 コレまでで一番フシギダネに近い場所の地面が爆発するような音を立てた。
「ゴー、ライチュウ。アタックだ!」
 フシギダネの右斜め後ろ、ライチュウがその姿を現した。
 だがサトシもフシギダネも決して見失ってはいなかった。
「行け、フシギダネ。居合い斬り!」
 肉眼で捉えられる程度にライチュウのスピードが落ちた一瞬、フシギダネの背負った種の下からつるが伸びた。
 今までならつるを伸ばし、振り上げ、なぎ払うの三つの動作が必要だった。
 それゆえ電光石火で動き回るライチュウをしとめる事などできなかったことだろう。
 だがフシギダネは、その三つの動作を一度に済ませて見せた。
 刀から刃が伸びるように種の下からつるを伸ばし、ライチュウの大きなお腹を一直線にないでいった。
 ライチュウのお腹の肉を抉るような傷が生まれていくが、ライチュウの目はまだ死んでなどいなかった。
「だめだ、浅い。フシギダネ、反撃が来るぞ!」
「良い判断だ。ライチュウ、十万ボルト!」
 一度攻撃を受けた身での電光石火は効果が薄いと、急遽攻撃を切り替えた。
 ライチュウの体から放たれた光がフシギダネへと突き進み、直ぐ目の前の地面を大きくえぐっていった。
 吹き飛ばされたフシギダネがゴロゴロと数回転がり、四つの足でしっかりと地面を踏みしめて止まる。
「フシギダネ、大丈夫か」
「ダネ、ダーネ!」
 直撃ではなかった為、すぐに平気だとフシギダネがアピールしてきた。
「居合い斬りか。たかだか数日で使えるようになったのは驚きだが、使いこなすにはまだまだ修行が必要だな、ボーイ」
「あとは実戦の中で使い時を知るだけだって船長さんのお墨付きだ。まだまだこれからだぜ!」
「ダネ!」
「実戦の中でか、これを見ても出来るかな。ヘイ、ライチュウ。電光石火だ」
 互いに言葉を交し合ったのも束の間、再びライチュウが電光石火でその姿を消していった。
 また先ほどと同じように静かに時を待とうとするフシギダネであったが、今度はそうは行かなかった。
 電光石火の僅かな切れ間にライチュウの気配を察知するも、今度はライチュウの方から仕掛けてきたのだ。
 十万ボルトの光が、容赦なくフシギダネへと襲い掛かる。
「かわせ、フシギダネ!」
「いいぞ、ライチュウ。電光石火と十万ボルトのコンビネーションだ」
 フシギダネが十万ボルトをかわすのに必死になっている間に、再びライチュウは電光石火で姿を消してしまう。
 繰り返し、繰り返し十万ボルトを打ち込まれては居合い斬りのために、精神を集中するどころではない。
 コンビネーション技に翻弄されるフシギダネを見て、シゲルが思わず座席を立った。
「サトシ、一つの攻撃方法にとらわ」
「フシギダネ、痺れ粉だ!」
 シゲルが助言するよりも先に、サトシが自ら作戦を変えてフシギダネへと指示を出していた。
 やはり今までのサトシとは違っていた。
 シゲルがまさに言おうとした事を体現し、迷うことなく口に出していた。
 ルカサにちょいちょいと服の裾をひっぱられ、シゲルはもう何も言うまいとどっかりと腰を下ろした。
「無駄だ、ボーイ。神速を誇る居合い斬りでさえ捉えられない動きを、痺れ粉で捉えられるはずがない」
「相手の言う事なんて気にするな、フシギダネ。ありったけの痺れ粉を振りまいてやれ!」
「フシャーッ!」
 自分の姿が隠れてしまうほどに、フシギダネは思い切り痺れ粉を種の頂上から噴出した。
 誰に向かってと言うわけではない為、バトルフィールド中に広がって痺れ粉は消えていく。
 拡散してしまった痺れ粉に痺れる効果があるはずもなく、サトシとフシギダネの行動にマチスが首を傾げる。
「ボーイ、一体何を考えている。ライチュウ、十万ボルト!」
「かわせ、フシギダネ。避けて、避けて、避けまくれ」
 前後左右、電光石火で移動しつつ放たれる十万ボルトにさらされながら、フシギダネは時おり痺れ粉を噴出していた。
 一体それにどんな意味があるのか、それがわかったのは十数度目の十万ボルトをフシギダネがかわした頃であった。
 すでにフシギダネの体は、そこらを転がされまたは自ら転がったせいで泥だらけであった。
 息も荒く今までのように十万ボルトを避けることが出来るか保障は全くない。
 もうそろそろ終わりにするかと最後の指示を出そうとした所で、マチスはライチュウの異常に気がついた。
「ヘイ、ライチュウ。ホワッツアップ」
「ラ、ラーイ」
 体を引きずるように動かすライチュウを見て、ハッと気がついた。
 効果は通常よりも薄いが、それは明らかに痺れ粉の効果であった。
「へへ、耐えたかいがあったなフシギダネ。今だ、居合い斬り!」
「フシィア!」
 駆けるフシギダネがチラリと種の下からつるのムチの先を取り出した。
「まずい、何とかかわせライチュウ」
 力を振り絞るような感じで、ライチュウが再び電光石火を使った。
 だが完全にかわす事はままならず、片足にフシギダネの居合い斬りを受けてしまう。
 勢いあまったままバランスを崩したライチュウは、無様にもバトルフィールドの上を土煙を上げながら滑っていった。
「ホワイ、何故ライチュウに痺れ粉の効き目が。ただ無意味に消えて言っただけのはず」
「そうか、電光石火か。あれだけ激しく動けばそれだけ呼吸も激しくなる。普通にしていれば効果がないのに、ライチュウは必要以上に痺れ粉を吸ってしまい体が痺れだしたんだ!」
「シゲル、格好良くネタ晴らししたかったのに、先に言うなよな」
 良い所を持っていかれ、不満そうにサトシが階上にいるシゲルへと恨めしそうな視線を送る。
「そう言うことか、翻弄しているつもりでしてやられたと言う事か。ヘイ、ライチュウ。スタンドアップ!」
 完全に自分の作戦ミスを悟り、マチスは倒れこんでいたライチュウを立たせた。
 息を荒々しくしながらもライチュウは立ち上がったが、居合い斬りをうけた足が痛むのか満足に動けるようには見えなかった。
 少しでも両足の体重の掛け方を間違えれば、痛みから再び倒れこんでしまいそうである。
「ボーイ、最後の勝負だ。その居合い斬りに自信があるのなら、受けるか。早撃ち勝負だ」
 一瞬どういう意味か解らなかったサトシはきょとんとしていたが、ジリジリとライチュウへと向けてすり足を始めたフシギダネを見て悟った。
 こちらは居合い斬りで、ライチュウは恐らく十万ボルトで技の打ち合いをしようというのだ。
 十万ボルトは電気タイプの技だけあって、僅かな溜めの後には光の如くである。
 その技に対して居合い斬りでどこまで迫れるのか、サトシは興味がそそられた。
「あの馬鹿ちん。普通に勝負すれば勝てるのに、受ける気だわ」
 人知れずルカサが呟くも、まったくもってそのとおりであった。
 サトシだけではなく、フシギダネもすでにその気であり、ジリジリとライチュウへの距離を縮めていた。
 バトル当初の緊張感が再び戻ってきた。
 ライチュはすでに動く事が出来ないのでじっと身構えており、そのライチュウへとフシギダネが距離を詰めていく。
 奇しくもバトル当初と立ち位置は逆転していた。
 僅かずつで一向に縮まらない距離であったが、ある地点でフシギダネがピタリとその体を止めた。
 それは後一ミリでも近づけばつるのムチが届き、かつライチュウの十万ボルトがかわせなくなる距離だったのだろう。
「ダネダ」
 フシギダネが僅かに視線をよこし、サトシを見た。
 まるで最後の合図だけは任せたとでも言うように。
「フシギダネ、居合い斬り!」
「ライチュウ、十万ボルト!」
 サトシに続き、マチスも高らかに声を挙げていた。
 フシギダネが一気に地面を蹴ると、ライチュウが電気袋から電気を放出しようと僅かに身を屈める。
 放電し出したライチュウを前に、フシギダネが背負った種の下からつるのムチを伸ばす。
 先に攻撃を届かせたのは、フシギダネであった。
 居合い斬りによって素早く斬りつけたつるのムチが、ライチュウの体を袈裟懸けに打ち払っていた。
 中途半端な放電しか出来ず、行き場を失くした電気が倒れこんでいくライチュウの体の表面でスパークしていた。
 完全にライチュウの体がバトルフィールドの上に沈みこんだ。
「僅かに体を沈みこませた時に、痛みで僅かに体が止まった。それもいいわけか。ボーイ、の勝利だ」
「勝った。勝った、やったぞフシギダネ!」
「ダネ、ダーネ!」
 勝利を素直に喜んだフシギダネが、珍しくサトシへと飛びついていた。
 飛びつかれたサトシも、フシギダネを抱えてくるくると回りだす。
 一度敗北した相手から努力によって勝利をもぎ取ったのだから、少々浮かれても仕方のないことだろう。
 サトシとフシギダネは、シゲルとルカサが上から降りてきたことも気付かないまま勝利の喜びに酔いしれていた。
「バッヂのこと、すっかり忘れてるな。あれは」
「あんなに素直にサトシに飛びつくフシギダネも珍しいわね。普段なら、もっと努力しろって言いたげに鳴くのに」
 気絶してしまったライチュウをモンスターボールに戻したマチスが、くるくる回っているサトシとフシギダネへと言った。
「さあ、このクチバジムで勝利を収めた証のオレンジバッヂだ。良い勝負だった、ボーイ」
「あ、こちらこそ。ありがとう、マチス。貴方のおかげで、俺前よりもずっと強くなれた気がするよ」
「ダネ!」
「そいつは違う。強くなったのはボーイとパートナーであるフシギダネが強くなろうと努力した結果だ」
 フシギダネの頭をなでつけながらそう言ったマチスへと向けて、サトシは頭を下げてお礼を言っていた。
 マチスは自分達が強くなろうと思ったからと言ったが、その切欠を作ってくれたのは間違いなくマチスであった。
「ただし、ボーイ。居合い斬りの乱発は控えて置く事だ。通常では覚えることのない技を覚えさせる事は、ポケモンにかなりの負担を背負わせる事になる。特にボーイのフシギダネのように、まだまだ成長段階ではな」
「はい、覚えておきます。船長さんにも似たような事を言われたから」
 再び頭を下げようとしてきたサトシをマチスは止め、代わりに右手を差し出した。
 サトシもその手に自らの右手を重ね合わせ、しっかりとした握手を交わした。
 いくらお礼を言ってもいい足りなかったが、待ちすがライチュウをポケモンセンターに連れて行かなければならないこともあるため、惜しみながらサトシタたちはクチバジムを後にした。
 そしてサトシは手に入れたオレンジバッヂと共に、付ける事を拒んでいたブルーバッヂを上着の裏につけることにした。
 ハナダシティでのジム戦から、ようやくフシギダネと元通りの関係に、それ以上に仲良くなる事ができたのだ。
 もうつけてもよいだろうと、サトシの上着の裏にはグレーバッヂを合わせて三つのバッヂが輝く事になった。
「でもこれでお爺様に言いつけられたクチバシティですべき事も全て終えた感じだね。これからどうする?」
「俺はずいぶん我侭言ったから、二人が決めれば言いと思うぜ」
「あら、サトシの割には殊勝な意見ね。それなら、一度ハナダシティに戻りましょう。クチバシティには車での移動だったから、ちゃんとクチバ、ハナダ間の道は歩いておきたいわ」
「異議なし!」
 ルカサの意見に早速賛同したのはサトシであった。
 その足はすでに、クチバシティの入り口へと向かっていた。
「そうだな、ハナダシティについてからまた考えるとするか」
 最後にシゲルもちゃんと歩いていこうと言う意見に惹かれ、三人は戻る形でハナダシティを目指し歩き出した。

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