悠久幻想曲  月と太陽と

 

嫌だ・・殺したくない

 

                           止めてくれ、助けてくれ

 

                            はやく来い・・・アスカ

 

                         俺を殺せるのはお前だけなんだ

 

                          もう死ぬことでしか止まれない

 

                             死こそが、俺の救い

 

                          ー シャドウ・パンドーラ ー

 
 
                                              
悠久幻想曲
 
              第三十六話 十年前
 
「隊長!何かあったんですか?」
アスカとアルベルトが教会へ着いた時、そこには教会に住む者だけでなくリカルドとカッセルが居た。
そして何故か、全員が教会の外でまとまっていたのだ。
「アル、それにアスカ君。話は聞いた、大丈夫だったかね?」
「こっちは平気だ。それより・・」
平気と言う言葉を聞いたリカルドが直ぐに視線を自分達から移動させたので、アスカとアルベルトも真似るように教
会の屋根付近に視線を移動させた。
リカルドの視線の先には無数、未だ何処からか集まってくる悪霊が見られた。
「そんな馬鹿な教会に悪霊だと!」
アルベルトの驚きは当然の事だった。
悪霊と神を信仰する教会は相反するもの、普通なら悪霊が教会に近づけるはずがない。
「三日前から悪霊を見たという話は少しあったのですが、先ほどになって急に増えたんです。」
何が起こっているのかと不安そうに喋ってきたのは、このセントウィンザー教会の神父だ。
「カッセル老が言うには、祭壇の裏にある洞窟にから沸いていると言う話だが・・」
「細かい話はいい。俺はその洞窟に用があってきたんだ。」
「待て、アスカ。」
知った事かと祭壇のある礼拝堂へ向かおうとしたアスカの方を、アルベルトが掴んだ。
「慌てるな。まずは子供達をサクラ亭へ非難させ、それから悪霊の駆除を・・」
「駆除なら直ぐ終わらせる。」
アスカが右目に力を込め教会の近辺で彷徨う悪霊を睨んだ。
獣の王たる証の魔眼。それによって起こった爆発が彷徨える者を燃やし尽くしてしまった。
だが、不思議な事に教会への被害はこれっぽっちも見られなかった。
「おお・・・コレは正に。」
正体を知っていているのかのような、カッセルの驚きであった。
アルベルトやリカルドなどは声失い驚き、子供達はその炎の奇麗さに素直に感嘆していた。
「神父さん、さっきアルが言った様に子供をサクラ亭へ非難させてくれ。爺さんもだ。」
「街のものが少々不安定になっている。私が護衛しよう。」
呆然とする神父に指示を出すと、子供の中から一人の少女が進み出た。
「アスカお兄ちゃん、私もその洞窟に連れてって。何か・・大切なものがある気がするの。」
進み出たのは、ピンクの髪のローラだった。
「駄目だ。ローラもサクラ亭で待ってろ。」
「でも!」
「大丈夫だローラ。何かあったら俺がそれを持ってきてやる。」
取り付く暇も無いアスカだが、アルベルトがローラにそう言ってやることでようやく引き下がってくれた。
神父が子供の数を確認しカッセル共々サクラ亭へ向かったのを確認すると、アスカとアルベルトは教会内部へと足を
向けた。
「アルにアスカ君、何が起こるか解らん。気をつけろ。」
リカルドの声を背に受けて、二人は教会の大きなドアを開けた。
 
 
教会の内部も沢山の悪霊がひしめいており、再びアスカの魔眼の出番であった。
標的だけを燃やす不思議な炎が教会内部を荒れ狂う。
『アスカよ、連発して平気なのか?』
(平気じゃねえ。ちょっと眠くなってきたが、そんな事言ってる場合じゃねえ。)
再びその不思議な光景に唖然としたアルベルトだが、今度は復活がはやかった。
祭壇に近づくとその後ろの壁が崩れ落ちており、覗き込む。
そこはレンガのような石を敷き詰められた人工的な洞窟になっていて、どうやら悪霊もそこから出てきたらしく洞窟
内にもちらほら見られた。
「いちいち倒してたらきりが無い。一気に突っ走るぞ。」
「俺が先にコレで蹴散らすから、ついてこい。」
コレとアルベルトが強調したのは炎魔の槍であった。
アスカは言われたとおりアルベルトの後ろに隠れるようにし、走り出したアルベルトについていった。
悪霊が生者である二人に群がろうとすると、アルベルトが槍を突き出すようにして叫んだ。
「炎魔の槍よ、思う存分暴れろ!」
アルベルトの声に呼応するように、槍から業火が生まれ近寄る悪霊を蹴散らしていった。
「まだ多少大雑把だけど、使いこなしてるみたいだな。」
「日々の鍛錬の賜物だ。」
褒められて悪い気がしないのだろう、いっそう炎が荒れ狂う。
この洞窟が下りではあっても一本道なのが幸いした。二人はどんどん走るスピードを上げていった。
どれぐらい走り続けただろうか。そろそろ足が笑い始めた頃に、正面に大きな門が見え、その隣に小さな門が見えた。
「当然大きな門の方だろうな。」
「ああ・・だけど、小さい方も気になる。多分ローラが言ってたのってそっちだろう。」
ローラの用を先に済ませる事にすると、アスカとアルベルトは小さな門を開けた。
そこは今までの石を敷き詰めた部屋ではなく不思議な材質で出来た、継ぎ目の無い部屋であった。
そしてその中央には、これまた妙な材質で出来た棺おけのようなものがあった。
「おい、これって・・ローラじゃねえか?」
「ローラ?まさかローラの体がこんな所に?」
丁度顔の部分がガラスのように半透明であり、ローラの顔が確認できた。
他に何か無いのかと部屋を見渡すと、棺おけの頭の方の台座に一冊の本があった。
アスカがそれを手に取り、ぱらぱらとめくる。
そして偶然だが開いたページをみてアスカは声を上げて笑いそうになった。
『偶然とはいえ・・まさかこんな所に探し物があろうとは。』
『なんじゃ?なんの話じゃ?』
「旅の終わりか。」
ぽつりとアスカが呟くと、その手をローラの顔が覗ける窓に置いた。
すると蒸気のようなものが棺おけから発せられ、徐々に棺おけのふたが開いていった。
「何をしたんだ!」
「この本に書いてあった。ふたを開けただけだ。」
アスカは完全に開き切った棺おけからローラの体を取り出すと、アルベルトに預けた。
「数時間はこのままでも平気なはずだ。アル・・今すぐローラの体を持って帰れ。」
「何を言ってるんだ!俺もシャドウに」
「平気といっても、この本を見た素人の判断だ。すぐにトーヤに見せないと・・」
「テメェ・・知っててやったな。」
数秒アスカを睨んでいた後、諦めたのかローラの体を抱えなおした。
「いいか、無茶するんじゃねえぞ。」
「わかってる。トーヤには出来るだけ安静にさせるように言っておいてくれ。」
アルベルトがローラの体を抱えて部屋を出て行くのを見送ると、本を懐に納めて部屋を出た。
見上げたのは、大きい方の門。おそらくシャドウが居るであろう部屋。
自分より数倍あるドアを開けるのは苦労したが、アスカはその部屋へと入って行った。
 
 
アスカの予想では、その部屋ではシャドウが不適な笑みを見せ待っているはずだった。
「・・・シャドウ。」
しかし実際は全く違うものだった。
なんだか良く解らない無数の縄が入り混じるその部屋で、シャドウは座って抱えた膝に顔を埋め震えていた。
「シャドウ?」
一体どうしたんだとアスカが近づいたとき、顔を上げたシャドウの両目が赤く光った。
音は聞こえなかった。グルグル回る視界。背中に何かぶつかった衝撃。こみ上げてきたのは血だった。
すべて終わった後で理解した。魔眼での爆発で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられたのだと。
「な・・なんで。」
『馬鹿な・・・私の魔眼は右目がアスカで、左目がシャドウのはず。』
『不用意に近づく出ない。様子が変であろうが!』
アスカが壁に背を預けたまま立ち上がると、まるで今気付いたかのようにシャドウがこちらに眼を向けた。
「はは・・何時の間に来たんだよ。ぜん・・ぜん、気が・・・つかなかった。」
自分が今何をしたかわかって居ない台詞だ。
そしてアスカも今気付いた。シャドウの顔色が悪く、眼にクマが出来ている事に。
「シャドウ、全部話せ。俺たちは・・お互いの事を知らなさ過ぎた。」
「いいんだよ。知らないままのほうが、俺を殺す時にためらわずに済む。」
「いいから・・・・話せ!!」
自分で叫んでおいて、先ほどの残っていた血が気管に入ったのか咳き込むアスカ。
その間抜けな行動に一瞬だがシャドウの顔が何時ものように緩んだ。
もちろんアスカはそれを見逃さなかった。
「話せよ・・話してくれよ。」
「まったく、わかったよ。ただし・・・聞くからには俺を殺せ。」
アスカは答えなかったが、シャドウはそのまま続けた。
「お前の中に居るブラッドは、ブラッディ・アイの一部、理性でしかない。」
「一部?」
「そうだ。獣の王であるブラッディ・アイの大部分、本能は俺の中に居る。」
自らの知らぬ自己にブラッドは声も出なかった。
同様にアスカも黙ったままだ。
「今まではなんとかその本能を抑える事が出来ていた。自分で抑えたり、お前が抑えてくれたり・・憶えてるだろ?
大武闘会やピートの時のこと。」
「そんな前から・・・・何も、何も知らなかった。」
「当たり前だ。俺が話さなかったからな。」
壁に背を預け立っていたアスカが、ズリズリと座り込んでいった。
改めて自分の馬鹿さ加減を知らされたのだ。気付くチャンスはいくらでもあった・・ただ自ら放棄したのだ。
「けど、それも限界が来た。もう俺自身がブラッディ・アイの本能に喰われだしてる。完全に喰われたら止まらない。
全てを破壊して、人間を皆殺しにするまで。」
「だから・・殺せって言うのか。」
「俺を殺せるのは同じブラッディ・アイのお前だけだ。」
訪れた長い沈黙。
シャドウはただ自分の最後を待ち、アスカはこの理不尽な状況に涙を流していた。
「そんなの・・そんなの。」
「優しい子達。誰も傷つけたくないのに・・・優しい子。」
二人とも気付いていなかった。
いつの間にかアリサがテディも連れずにここに来ていた事に。
アリサはアスカに近寄るとそっと抱きしめた。
「ごめんなさい。私が・・私があの時・・・」
アスカとシャドウは何の事だかわからず、涙を流すアリサを見つめていた。
「十年前、私が逃げなければ・・貴方達がこんな思いをしなくて済んだのに。」
「なんの・・話ですか?」
「私の旧姓はパンドーラ。アリサ・パンドーラ・・・貴方達の、姉なの。」
「「ねえ・・さん?」」
二人の見開いた目が先ほどよりアリサを見つめ、同時にこぼした。
アリサはアスカを抱きしめる力を強めると、自分を律して先を続けた。
「私達パンドーラの一族は呪われた一族。この世の災厄を箱に収め命を絶つ一族。でも・・・ブラッディ・アイは災
厄なんかじゃなかった。自然を愛し、命を慈しむ聖なる魔獣。でも、人間は増えていく人口のために森を切り開く
ことを望み、やがて主であるブラッディ・アイまでその手にかけようとした。」
『我々は・・』
「我々は、何度も話し合おうと主張した。・・しかし、人は聞く耳を持たず、私の留守の間に森を焼き払い獣達を殺
していった。もちろん私は怒り狂い・・・沢山の人間を焼き殺した。」
ブラッドの言葉をアスカが継いだ。
「そこで私が呼ばれた。幼い貴方にパンドーラの宿命を見せるように言われ、一緒に連れて行き・・・でも、私は逃
げた。怖かったの!全てを奪う人も!神のごとき力を振るう獣の王も!」
そこでアリサの声が止まった。いや、ためらっているのだ。
そこから先は自らの傷をえぐることになるから。そして、またしても怖かったからだ。
アスカとシャドウ、二人の弟に憎まれる事が。
「私が逃げても貴方が・・アスカがいた。貴方は私の変わりに差し出されたの!」
アリサの叫びに呼び起こされたかのように、アスカとシャドウに当時が鮮明に思い出された。
 
「アスカ・・本当言うと、お姉ちゃん怖いの。」
「泣かないで!泣かないでよ、お姉ちゃん。」
泣き崩れる少女を一生懸命に励ます男の子。
「僕がお姉ちゃんを護るから!」
 
「貴様ら、ニンゲンが!ニンゲンめ!」
「泣いてるの?」
「ニンゲンめ!死ね、滅んでしまえ!」
「泣かないで、僕が君を助けてあげるから!」
自分の何倍もの巨体を誇る獣の王に、恐怖の欠片もなく近寄り慰める少年。
紡がれたのは聞き覚えのある言葉。
「自らの大罪を憎みて再び開くのは、神々が創りし箱。今その神聖なる力を用いて獣の王を封じる。」
おそらく言葉の意味など理解はしていないだろう。たどたどしいが、心のこもった声。
そして光が少年の獣の王を包み込み、少年を残して全てが消し飛んだ。
 
「あの凄まじい爆発。逃げ出した私はその時に光を殆ど失った・・・当然の報いね。」
はっとアスカとシャドウが正気を取り戻した時、アリサの語りが丁度続きであった。
「私は多くの街を流れ、エンフィールドに行き着いた。そこで主人と出会いアスティアとなった。・・・でも私の愛
した人はすぐに死んでしまった。当然よね、弟を見殺しにした私が・・幸せになれるはず・・・・・・」
そこで言葉が途切れ、シャドウに向き直り近づいていくアリサ。
「許してくれなくてもいい。私がブラッディ・アイの本能を封印して死にます。」
「駄目だ!」
「止めてくれ!」
当然アスカとシャドウは叫んだが、アリサが静かに首を横に振った。
「これは元々私の役目だったの。だから・・・お姉ちゃんを許して欲しいの。」
アリサの瞳から流れ落ちる大粒の涙。
そしてゆっくりとシャドウに近づいていくアリサから紡がれるのは封印の言葉。
アリサがそれに気付かなくても仕方が無かっただろう。
封印を阻止するかのようにシャドウの中の獣の本能が動き出したのだ。赤く染まっていくシャドウの両目。
抗う事の出来ない力にシャドウは叫び、アスカもその場から走った。
「お姉ちゃん、逃げて!」
シャドウの声にはっとしてアリサが異変に気付くが遅かった。
目の前には灼熱の炎。そしてアスカの背中が見えた。
「あああああああああああ!!」
アリサ側からは見えないが、シャドウは気付いていた。
アスカのその両目もまた赤く染まっていたのだ。
本来ありえるはずの無い、ブラッディ・アイ同士の魔眼のせめぎあい。
「誰も死なせない!お姉ちゃんもシャドウも、誰もだ!」
その叫びは引き起こされた爆発でアスカ自身も聞こえていなかった。
標的だけを燃やす魔眼の炎だが、でたらめに使った力だ。何処かが余熱で焦げたのか煙が蔓延し視界がふさがれた。
爆風も起こっておりアリサは吹き飛ばされぬよう這いつくばり耐えた。
ようやく煙が晴れてきたとき、体を起こしたアリサの前にはアスカが居た。
その右手にどす黒い血を大量に付着させたアスカが。
「僕は・・・お姉ちゃんを許す。」
「アスカ・・ごめんなさい。貴方にまた・・・・ごめんなさい!」
「お姉ちゃん、僕は諦めない。絶対に。」
縋りつく姉をしっかりと抱きとめるアスカ。
完全に煙が晴れてもシャドウの姿・・遺体でさえ見つからなかった。
燃え尽きてしまったのだろうか。
 
 
 
「アスカ!おい、みんなアスカが戻ってきたぞ!」
一番最初に気付いたのは、サクラ亭の外でずっと待っていたアレフだった。
そしてアスカの帰りにいち早く反応したのは、シーラとマリアであった。
シーラはアスカの帰還に、マリアもそうだが、更にシャドウの行くえを聞くために。
直ぐにでも聞きたいのだろうが、何故か一緒に帰ってきたアリサの雰囲気に気をされためらってしまっていた。
なぜなら泣いているアリサなど初めてみたからだ。
「パティ、悪いけどお姉ちゃんを頼む。」
ぐったりとしているアリサを普通に受け取ってしまったが、数秒でそれに気付いた。
何人が「お姉ちゃん!」と疑問を挟んで反応しただろうか。
「ああ、お姉ちゃん。旧姓アリサ・パンドーラ。」
「記憶が戻ったのかね?」
「八歳以前はさっぱりだけど、十年前のことは鮮明にね。」
尋ねたのはリカルドだった。
アスカは完結に述べると、聞きたいことがいっぱいある顔の皆を置いてサクラ亭へと入っていった。
そしてそのまま二階へ上がると、ローラの体が安置されているベッドへ近寄った。
そこにはアルベルトとトーヤ、そして精神体の方のローラが居た。
「戻ったか!お前部屋で本を見つけたらしいな、見せてくれ。」
「その為に来たんだ。ローラ体に自分を重ねてろ。今戻してやる。」
アスカが手に入れた本に書いてあったのは、ローラを体に定着させる「移魂の法」だった。
おそらくトーヤに渡しても余り意味がなかっただろう。古い、古い呪文を唱えると風が吹いた。
しばらく何の変化も見られなかったが、やがてローラが眼を覚ました。
「わ・・私。」
「急には動けないから寝てろ。今起きてる事は夢じゃない、安心して寝てな。」
静かな寝息が聞こえるとアスカは慌しく部屋を出て行ってしまう。
はやりここでも誰も何も聞く事が出来なかった。
「ホワイト、アーシャ。出かけるぞ!」
「みてたよ。ついに手に入れたんだな。」
「アスカ兄様、何処行くですか?皆さんお話を聞きたがって・・」
「話なんて後でも出来る。」
アスカはアーシャをひょいと抱えると街の外へと走っていってしまった。
砂煙を残していってしまった三人。しかし数分でアスカだけが戻ってきた。
「マリア、シャドウは帰ってくる。絶対帰ってくるから待ってろ!」
そしてきびすを返して、再び同じ道を引き返すアスカ。
慌しい事この上なくどうしていいのかわからない者たちが残された。
だが、マリアはアスカの先ほどの言葉をかみ締めていた。シャドウが帰ってくると言う言葉を。
 
 
 
アスカたち三人が向かったのは、雷鳴山の中腹だった。
「アスカ兄様、ここ何処ですか?」
「以前は天窓の洞窟って呼ばれた場所さ。今はシャドウが落石で入り口閉じちまったから・・」
ホワイトが慣れた手つきで岩に偽装されたスイッチを押した。
するとスイッチの直ぐ横の岩がスライドし、洞窟が現れた。
「ようこそホワイトの秘密研究所へ。」
「何があるですか?」
「行けばわかるさ。」
その洞窟は深く、光が差さないほど深い所にまで通じているようだった。