復讐のために強くなった
奴を殺すためだけに私は
殺すために強くなった
だったらなんで
なんでそこにお前が倒れてるんだ
なんでだよ
ー リサ・メッカーノ ー
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悠久幻想曲
第三十三話 復讐
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「ちーっす。」片手を挙げてサクラ亭に入ってきたのはアスカだ。もう一つの手にはアーシャの右手が、そしてアーシャの左手を握るのはシーラ。「あら、三人そろって何処行ってたのよ。」「リヴェティス劇場に演劇を見に行ってきたです。」「眠かったけどな。」パティに答えたのはアーシャだが、即座にアスカがちゃちゃを入れた。それにはシーラが乾いた笑いを浮かべ、アーシャは怒ったように頬を膨らませていた。「もうアスカ君ったらすぐ寝ちゃうんだから。」「そうです。始まって十分たってなかったです。」「眠かったって言うか、ずっと寝てたのね。」特別驚く事は無く納得の言った顔でパティは厨房の方へと引っ込んでいく。常連にもなれば注文を聞かずともわかるからだ。三人も聞かれなかった事には特に気にせず、てきとうなテーブルに腰を落ち着けた。「それにしても・・。」楽しかったと言っても長時間椅子に座っていて疲れたのかシーラとアーシャが背伸びをしていると、奥から飲み物を持ってきたパティが口を開いた。「最近シャドウとマリアをあんまり見ないけど、どうしてるの?」この場合見ないとはサクラ亭に来ないと言う意味であった。仕事ではしっかりと会っていた。「なんか他に行きつけの店見つけたみたいだな。今日も二人で出かけたぞ。」「うちとしては常連を取られて問題だけど・・・それなら仕方ないか。」事の経緯は詳しくないが、二人が付き合い始めたのは皆がなんとなく察していた。特にベタベタしているわけではないのだが、雰囲気がはっきりとわかるほど違うのだ。「先越されちゃったか。」パティがこぼした言葉はそのままの意味だ。シーラも手の中のお茶をもてあそぶアスカをちらりと見た。進展が無いわけではない。今日みたいに出かける事はあるが・・・必ず他に誰かがいたりするのだ。今日はそれがアーシャであっただけで。しかも、アスカの中にいるブラッドの存在。二人っきりになるのは不可能であった。「見ないと言えばホワイトも・・・別に見なくて良いか。」再びぽろりとパティが漏らす。この時入り口まで来ていた白衣の青年が体を反転させ涙を流して走り去ったが、誰も気付かなかった。それぞれが話題もきれぐったりと時間を過ごす中、忙しそうとは違う必死さをかもし出しているリサが二階から降りてくる。こちらに気付いていないわけではないだろうが、そのまま素通りで外へ飛び出していってしまった。「なんだ、どっかで特売でもあるのか?」「アスカ兄様、リサさんは特売に慌てて出て行くような人じゃないです。」「そうだよな。」訂正を素直に受け取るアスカ。もしかしたら先ほどのリサの雰囲気に何かを感じているのかもしれない。言葉にはせず目でパティに問いかけた。「理由は私も知らないんだけど、休みになる度に・・平日もたまにああやって何処かに出かけて帰ってくるのは深夜なの。」「そういや最近急に休む事あったっけ。」今思い出したように言うとそのまま席を立つアスカ。「俺今からリサ追いかけるわ。」上半身を回転させ体をほぐしてから走って行ってしまうアスカ。止める暇は無かった。「あぅ・・折角のお休みなのに・・・」よよよと泣きまねをしたシーラの背中に手を置いたのはアーシャ。「シーラさんがんばってください、アーシャは応援してるです。」「ありがとう、アーシャちゃん。」一瞬にして泣きまねから一転して顔を輝かせたシーラは、そのままアーシャを抱きしめた。アーシャも嬉しそうにはにかむが、一人冷静に突っ込んだのはパティだ。「応援してるなら、デートに付いて行くんじゃないわよ。」気を使っての小さな声での突っ込みだったので、抱き合う二人には聞こえていなかった。 意外にあっさりとリサに追いついたアスカは、そのまま並んで歩いた。しばらくそのまま歩いているとリサが立ち止まってしまったので、先に二歩ほど歩いてしまい振り向く。「何がしたいんだ。」「何って言われても・・」困った顔をしたアスカから目をそらすと再びリサが歩き出した。そしてアスカも歩くが、またすぐにリサが止まった。「だから何でついて来るんだ!」「俺に聞かれても。」「あ〜、もう良い!」イライラして頭をわいわしかいたリサは諦めたように歩き出した。そしてリサの大声に身を屈めていたアスカも、直ぐに追いかけ歩き始めた。言葉通り気にしない事にしたのだろう、リサは何も言ってこなかった。そのままついて行きついた先は自警団事務所。そのままずんずんと入って行ったリサにアスカも続いた。「また来たのかお前は・・・って、今度はアスカまで。」出迎えたアルベルトはあきれ返っていた。「何度でも来る。私も紅月討伐のメンバーに加えろ!」「討伐も何も噂だけでそこまで動けるか。すべては隊長が帰って・・・・・アスカちょっと来い。」何度も同じ事を言ったのだろう。少し早口で説得の言葉を並べたアルベルトだが、アスカを見て呼びよせる。「前のピートと同じ状況だ。出所の知れない噂に隊長の不在、気をつけろよ」「噂?」「紅月って名前の侍が辻斬りをするんだとよ。本当に噂だけで、実際に見たとか被害は聞かないから自警団も大げさに動けないんだ。無用な不安や混乱を招くわけにもいかない。」「実際に何かあってからじゃ遅いんだよ!」一応内緒話のつもりが聞かれていたのか、手近な壁を叩くリサ。「だからパトロールの人数を増やしたり情報収集と、やる事はやっている。」「そんな事より討伐のことを考えろ!」このままではアルベルトに掴みかかりかねないと、そっとアスカが後ろに忍び寄り羽交い絞めにする。もちろんリサは暴れたためアスカが振り回される。怒りのベクトルがアルベルトからアスカに移動しただけかも知れない。「お〜・・おわっ!こら暴れるな!」「坊やが私を抑えようとするからだろうが!」バタバタと暴れる二人を見てため息をついたアルベルトは、仕方ないとばかりに多少の譲歩をみせた。「こら暴れるな。たく・・・本当は秘密なんだが、カッセルのじいさんが何か紅月の重要な情報を知っているらしい。」返事も無くリサは走って事務所を出て行ってしまった。その背にアスカを背負ったまま。再びため息をついたアルベルトはその手に持っていた書類に目を向けた。そこにはカッセルに教えられた紅月の情報が事細かに書いてあった。その正体、対処法。自警団員全員にその事は伝えられており、リサにカッセルの所へ行かせたのは、話を聞いて冷静になる時間を作ったのだった。 来る事があらかじめ予想できていたのか、カッセルは怒鳴り込んできたリサに戸惑う事が無かった。そしてはやく話せと急かすリサを見ながらゆっくりと語り始めた。ちなみに、アスカはリサの背で揺られたため酔いが回っていた。「紅月、隻眼の侍・・・この名を持つ者は、数十年も前にすでに死んでいる。」「なに!」「奴は戦争の亡霊、敵意に敵意を返す。ただそれだけの存在。」カッセルに掴みかかろうとしていたリサの手が空中でさまよう。「敵意に敵意だと・・・・なら、弟が悪いと言うのか!アイツはまだ子供だったんだぞ!」「誰が悪いわけではない。紅月自身もまた、戦争が作り出した犠牲者なんじゃ。」沈痛な面持ちで顔を伏せるカッセル。同じように俯き震えるリサを見て、アスカはグルグル回りすぎる頭でようやく大体のことを理解した。「子供だった」つまりは、リサは紅月に弟を殺されたのだと。「じゃあアタシは誰を殺せば良いんだ・・・・・誰を殺せば弟がうかばれる!」「仇討ちでうかばれる魂など存在しない。仇を討とうと、傷口を広げるだけじゃ。」それから一時間近く、誰も何も喋らなかった。リサは何かを考えるように微動だにせず、アスカとカッセルは見守っていた。アスカがふと外を見て夜の闇が広がっている事に気付いた時、リサが立ち上がりその顔を上げた。「今日は帰るよ。」「そうか。」その顔に僅かだが先ほどまでの影が失せ、カッセルがほっとした顔を見せる。「つき合わせて悪かったな、アスカ。」「別に、なんとなくついてきただけだし。んじゃな、じいさん。」建物の出口に向かう二人・・リサをカッセルが呼び止めた。「心に区切りがついたら、喋る花を尋ねよ。わしから言えるのはそれだけじゃ。」短くああとリサが答え二人は帰路についた。すでに闇だけでなく空には満月と星が輝いていた。帰り道でも二人は何を話す事も無かった。リサは今まで生きてきた理由を考え、アスカは何事も無く事が収まりそうで安心していた。そして前方に見えた来たのは二つの人影・・目を凝らすとアーシャとシャドウだった。「よう、シーラとのデートを蹴ってリサと一緒とはやるじゃんか。」「シャドウ兄様!。アスカ兄様、遅いから迎えに来たです。」シャドウを押しのけるようにして言ってくるアーシャ。「そうか。リサ今日は泊まってけ、一人で考えるのは明日からでもいいだろ?」「ああ、そうだな。」アーシャの頭を撫でてから振り向いたアスカに、了承の意を伝える。一人で考えていて再び憎しみにとらわれないとも限らない。今は暖かい場所に居たかったのだろう。二人の兄と妹、境遇は違えどそれを通して遠い思い出に浸る事も出来る。「リサさん泊まっていくですか?一緒に寝るです。」「アタシでいいのかい?」「もちろんです。でも・・」小声になってちょいちょいと耳を招き寄せるポーズをしたので、腰を屈める。「アーシャはシーラさんの味方なので、アスカ兄様には手を出させないです。」それを聞いてかなり間抜けな顔をしたリサにつられる様に、アーシャもきょとんとする。数秒後に聞こえたのは、先を歩くアスカとシャドウに聞こえないように抑えたリサの笑い声。「あ・・アタシは、そういう風に見えてたのかい?」「だってアスカ兄様、シーラさんをほったらかしでリサさんの所に行ったです。・・・・・違ったですか?」「アスカが良い男になるってのは認めるけど、まだまだだね。アタシよりシャリルを警戒した方がよっぽどいいさ。」腕を組みなるほどと唸っているアーシャの頭に手を置いて撫でる。弟を思い出すその行動も、今では苦味より心地よい眩しさが上回っていた。その思いに浸っていると、我に返ったとき突然アスカとシャドウの背中が目前に広がった。いつの間にか二人が立ち止まっていたのだ。「どうしたですか?」「リサ、アーシャを頼む。アスカ下がって二人を護れ。」返ってきたのは一心に周りを警戒しているシャドウの声。言われた通りリサはアーシャを庇うようにシャドウから距離をとり、アスカも二人の前に移動した。リサは先ほどまで気付かなかったが、煙でも霧でもない何かモヤのようなものが辺りを包んでいた。『コレは霊気か?』『死人の匂いじゃ。死してなお現世に彷徨う魂の。』「冷たい・・変な違和感がする。」「よりによって・・・」アスカは二人の表現をなんとなく理解し、シャドウも呟く。リサの体が強張った。よりによって、その言葉の続きは?奴なのか?様々な疑問が頭を駆け抜け、心が揺らぐ。「四人か、男はいらん。女だ・・・あの柔らかい肉を切る感触・・・・・たまらねぇ。」モヤの中から現れたのは、長い髪を束ね、刀を持つ戦装束の男。その両目は血走り、顔色は土気色をしていた。「誰だ!」「ああ?・・・名前は言っとかねえとな。紅月だよ、よろしくなお嬢ちゃん。」刀に舌を這わせると問いかけたシャドウではなく、アーシャに向けて言う紅月。その行為に嫌悪が走ったのかリサに押し付けるように体を預ける。アーシャの震えが伝わったのか、リサの目が紅月を捕らえて離さない。「ムカつく目をしてくれるじゃねえか、姉ちゃん。もっと怯えろよ、悲鳴をあげろよ。」十分に脅しが入った言葉だったが、名前を聞いてから黙っていたアスカとシャドウが笑い出した。「な・・何がおかしい!」「お前の頭がおかしいからに決まってるだろ。」「あのなぁ・・・カッセルのじいさんが言ってたけど、紅月は隻眼だぞ。」シャドウの言葉を引きついだアスカ。「く・・・くっそお、死ねぇ!!」居直った自称紅月が刀を振り上げたため、シャドウ身構え、アスカもそれを真似る。しかし、一瞬。瞬きをするような一瞬で自称紅月の体が上下に分離した。悲鳴も上がらないほどの即死。それが斬られた物だと気付いたのは数秒後だった。「アーシャ、見るな!」『霊気の正体は奴か!』何が起こったのかと目を向けようとしたアーシャの視界を抱きしめて塞ぐシャドウ。動けただけでも賞賛に値する。アスカとリサは斬った人物・・・隻眼の侍を見て動けないで居た。「こうやって斬ったのか・・・」その呟きが聞こえなかったか、隻眼の侍は血にぬれた刃を見つめ微動だにしない。「アタシの弟も、斬ったのか!!」「やめろリサ!」叫びによって硬直を解き放ち、紅月に向かうリサ。シャドウは制止の声を叫びながらその光景をスローモーションのように見ていた。自分はアーシャを抱きしめ、かつ掴まれていて動けない。一歩、また一歩と紅月に近づいていくリサ。実際はそうではないのだろうが、ゆっくりとリサに体をむけ刀を振り上げていく紅月。怒りに我を忘れ無防備に突っ込んでいく、リサめがけてその刀は振り下ろされた。体に垂直に走る赤い線、そこからはじけ飛んだのは夜の闇に吸い込まれそうな赤。「アスカ!!」リサの視界一杯に広がるアスカの背中。崩れ落ちたアスカの向こうには刀を振り下ろした紅月。「アスカ・・・嘘、なんで・・・・」抱き上げたアスカはぐったりとしていて、やけに重く感じた。『アスカしっかりしろ!』『お主が死んだら、誰が童を救えるのじゃ!』「シャドウ兄様!」続いたアーシャの台詞に意識を向けると、そこにはうずくまり頭を抱えるシャドウの姿があった。アスカが斬られ動揺しないはずがないが、息が異常に荒く苦しげに呻いていた。『また一つ大切なものが奪われようとしている。汝の悪とは何だ。』何時ものわめくだけの声ではなく、夢の時と同じ声。だがわめかれるよりずっと頭に響いた。「俺の・・・」「シャドウ兄様、しっかりしてくださいです。アスカ兄様が!」「悪。」頭を抑えながら顔を上げたシャドウの目に映るのは、血まみれのアスカを抱えるリサ。血にぬれた刀を持つ紅月、自分に必死に呼びかけるアーシャ。『答えよ!汝の悪とは。』「俺の大切な者を奪う者。」「しっかりしてくださいです!」『ならば悪を滅せよ。悪は滅ぼさねばならぬ!』「悪を・・・滅する。」朦朧としていたシャドウの意識が一気に覚醒した。しかし本当にそれはシャドウの意識なのか、誰も知るものは居ないし、疑問に思う事さえない。本人を除いて。「ブラッド、アスカはこのままじゃもたない。交代して病院へ行け!」『了解した。』一瞬にして血まみれのアスカの姿が変わり、長い銀髪を持ったブラッドへと姿を変える。魂は体に引かれ、体は魂に引かれる。魂が変わればその時の傷は多少緩和されるのだ。「リサここは退くぞ!アーシャ来い。」「でも・・」放心状態のリサの手を引き立たせると、ブラッドが走り出した。だが、アーシャはシャドウを心配そうに見上げ動かない。「大丈夫だ、今は逃げろ。」「絶対です。怪我したら、シャドウ兄様の事嫌いになるです。」何度も振り向きながら走り去るアーシャにシャドウはポツリと呟いた。「そうだ、逃げるんだ。・・・・・・俺から。」その呟きはもう抑えきれない自覚であった。シャドウは認めてしまったのだ。悪は滅ぼさねばならないというブラッディ・アイの言葉を。「汝は逃げないのか?」「逃げるだと・・・アスカをあんな風にした奴からか?」「我を傷つけられる者などおらぬ。」紅月の言葉が終わった時、その手の中の刀の刀身が音も無く消滅した。何が起こったのか解らず、紅月の口から出るのは唸り声だけ。「人間に霊魂は傷つけられない。だがな・・・獣の王、ブラッディ・アイに燃やせぬものなど存在しない!」左目だけでなく、シャドウの右目までもが赤く染まった。もうためらう必要など無い、後は破壊の衝動に身を任せるだけであった。悪は滅ぼさねばならない、それが行動原理の一つとなってしまったのだから。無造作に放った拳にでさえ纏う強力な魔力が紅月の霊魂を砕く。「グォ!」「悪は滅ぼさねばならない。」殴り上げ宙に浮いた紅月をその深紅の目が捕らえ、爆発を引き起こす。この霧のようなモヤは特殊な魔力を帯びているのか大した音はしなかったが、効果は絶大だった。紅月の左腕と体が別々に地に落ちた。「体は無くとも苦しいのか?」「ア・・ヴゥ・・・・」動く事すらままならなくなった紅月を足で踏みつける。哀れなど感じなかった。紅月はそれだけのことをしたのだから。シャドウはふと人の気配を感じそちらを向くと、モヤの中からその手に植木鉢を持ったカッセルが走ってきた。「待て、シャドウ!」走り寄ったカッセルが植木鉢の花を紅月に向ける。「紅月わしがわかるか?」「・・・・・・カッセル・・・老いたな。」旧知の仲だったのか、シャドウは驚きはしたがどうでもよかった。「お主の探し者はここだ。」「・・・紅月。」植木鉢の中の花が紡いだのは女性の声。それにより紅月の張り詰めていた顔がほぐれ、笑みさえ浮かべようとしていた。「・・お。」その紅月の笑みがシャドウに最後の行動を取らせた。紅月の背に乗せた足でそのまま紅月を踏み砕き、魔眼で欠片も残らないほどに吹き飛ばした。霊魂を吹き飛ばすほどの威力であったはずなのに、近くに居たシャドウだけでなく、カッセルや花に小さな火傷も無かった。「な、なんということを。」「あ・・・・あああ!!」その花の小さな叫び声がシャドウを我に返させた。直ぐに目に入ったのは絶望からか散っていく花。シャドウはその光景から目をそらすとその場から逃げ出した。自分がした事に後悔が無いわけではないが、間違ってるとも思っていなかった。しかし、これでもう後戻りは出来なくなった。悪は滅ぼさねばならない。認めてしまった事で、もうブラッディ・アイを止める事が出来なくなってしまった。その日からシャドウは姿を消し、最後にその姿を見たのはカッセルとなった。