悠久幻想曲  月と太陽と

 

あの時、アスカが閉じ込められた時

 

                      俺は自警団を呼ぶことしかできなかった

 

                  どうしようもないとわかってはいてもどうにかしたかった

 

                        どうにかできる力が欲しいと思った

 

                      そしてあの二人も同じ想いだったとおもう

 

                             ただ力が欲しい

 

                           ーアレフ・コールソンー

 
 
                                              
悠久幻想曲
 
             第十話 力の定義
 
読んでいた本を閉じため息をつく
「やっぱ一般図書に載ってるわけないか」
『載ってはいても実用と呼べる段階でもない夢物語だな』
クラウド医院に入院中のアスカは入院してからこれまでずっと旧王立図書館の本を読んでいた
それのこと自体はいつものことなのだが、さすがに連日しかも一日中というのはエンフィールドでは初めてであった
「となると・・禁書か」
『それは諦めろ、禁じているからこその禁書だ』
「さすがにそこまでいくと魔術師ギルドも黙ってないか」
以前怪しげな狂信者[命の永遠]と疑われたこともある、多分今でもだが
通りすがりの旅人でいた時はそれでも禁書を手にしようとしたが今はそうはいかなかった
「足かせなのかな」
『それは』
ブラッドの望まない考えを否定しようとしたとき病室をノックする音に阻まれる
「よ、新しい本もってきてやったぞ」
「ノックの意味あるのか?」
ノックに対する返事も聞かずに入ってきたのはアレフ
脇には言葉どおり本が数冊ありアスカの入院中に本を持ってくるのは何故かアレフの仕事になっていた
「細かいこと気にしてちゃもてないぜ」
「身だしなみは?」
「気にしない奴にもてようとする資格はない!」
もてるもてないはまた別問題だけどなとアレフはアスカを見て心の中でつけ加えておく
アレフの見立てではシーラについては考えるまでもないが確実にパティ、シェリルの二人にも友達以上の感情はあ
るだろう
それに対してアスカは困ったことがあれば助けるけど普段は特に気にはしない、前者だけをとれば女の子にとって
アスカは目一杯王子様願望をみたしているのだろう
「人の病室でニヤニヤするな気持ち悪い」
「なんでもないよ王子様」
おどけて言ってはみたもののアスカに通じるはずもなく怪訝な顔をされる
もう一度なんでもないよと言って本を渡す
「とりあえず聞き流すけど、ようやく明日退院だしそろそろ言えよ頼みたいことがあるんだろ」
「わかった?」
アスカの一言に笑っていたアレフの顔が多少気まずそうにする
「たいした怪我でもないのに毎日本もって見舞いにくりゃさすがにな」
「さすがに露骨過ぎたか」
一時笑うがすぐにアレフは顔を引き締め真っ直ぐにアスカを見る
「俺に戦い方を教えて欲しい」
「はぁ?」
馬鹿にしているわけではないが何言ってるんだこいつという感情で返事にならない返事を返されアレフの引き締め
た顔が一気にゆるむ
「あれ?」
 
 
 
「おいアレフ、なんでこんなにもその他大勢がいるんだよ」
「俺は誰にもしゃべってないぞ」
アスカが退院した翌日ローズレイクにきた二人は小さな声で話しながらある方向、後ろをチラチラと見る
そこにはシーラやパティ、リサ、由羅、メロディと呼んでも居ないメンバーが居た
「あ・・それ僕が由羅さんにしゃべりました」
いかにも悪気はなかったとあははと笑うアレン
「犯人はお前か、まあいいや見られて困るもんでもないし」
「俺はあんまり見られたくないんだが」
「じゃあ追い返すか?」
問われて今一度振り返るアレフ
そこには特に何かを期待している目でいる者が二名
「やめとく、たぶんここにいる理由俺と一緒かもしれないし」
「それじゃあ期待を裏切りますかね」
ぼそっとアレフに聞こえない程度に呟くと一度アレンと模擬戦闘するから見てろとアレフを遠ざける
アレンはこのためだけに呼ばれたのだがアレフ次第では骨をおってもらうことになる
「んじゃ、適当に叩きのめしてくれていいから」
「簡単に言いますね」
アレンは直接的にアスカの戦闘レベルを知らないのだがアルベルトを撃退した事実から予想したレベルに合わせて
模擬刀を構える
「いくぞー」
全く気合のはいってない声で合図をするとアスカは素手で一気にアレンとの間合いを詰める
アレンならともかく素人のアレフ達にはいきなりアスカがアレンの懐に現れたように見えたが次の瞬間
鈍い音とともにアスカは地べたにうつ伏せに倒れていた
一部からいたそうよねぇ〜と声が聞こえてきたがギャラリーと化していたシーラ、パティは目を点にしている
「わかった?」
うつ伏せのまま腕を使わず器用に首をアレフの方にまわす
見たままいきなり現れていきなり倒れていたのだこれから何かをわかれというのは酷かもしれない
実際アレフは首を横に振るだけ
「アレンは?」
立ち上がって土を払いながら問い掛ける
「予想ですけど・・アスカさんはもしかして全くの素人なんじゃ」
「はいアレン正解、というわけで俺が教えられることは何も無いとアレフわかったか?」
「ちょ・・ちょっとまった、じゃあなんでそんなにはやく動けるんだよ、それに事実お前アルベルトに勝ってるんだろ?」
戸惑っている割には正確に矛盾点をついてくる
「動けるわけはただたんに身体能力が高いだけついでに五感もな、それとアレはアルベルトの槍がとどくまで銃を撃
ちまくったんだよ、とどきそうになったら逃げてたし」
そう言うとアスカは腰にさしてある銃をぽんとたたく
「それに戦い方って言ったらリカルドのおっさんやアレンに教えてもらったほうが確実だぞ」
「それはそうだけど」
納得がいかない顔をしたアレフだが結局見せられた事実を信じてアレンに師事することにした
断る理由もなくアレンもそれを了承した
 
 
「それにしてもアンタが弱いだなんて意外だったわね」
単調なアレフの訓練に多少見飽きたのかシーラ達が座っているシートに座って本を読んでいるアスカにパティが話
し掛ける、シーラも同意見らしくうなづいている
「まーな、技術力の勝負だったらたぶんそこらの子供並なんじゃないかな」
「そこまで・・もしかして、やっぱいいわ」
「たぶん思いついた通りシーラやパティより弱いよ」
折角パティが言葉をとどめたのにあっさり肯定するアスカ
シーラは自分がアスカ(男)より強いといわれ恥かしいのか顔を赤くしている
「だからこんなもの持ってるんだけどな」
そう言ってアスカが腰から抜いた銃、常時ではないがアスカがよく携帯しているものである
「前に見たことあるけど」
「私見たことないのに、・・アスカ君私にもみせてくれない?」
もともと見せるつもりで取り出したのだからどこか不満げなシーラに渡す
危ないわよと言うパティの言葉を聞かずにシーラは色々眺めたりいじったりしている
「大丈夫だって、俺以外使えないから」
シーラから銃を受け取るとアスカはローズレイクに向かって銃を構える
アスカの指がトリガーに触れた時銃全体がぼんやりとした赤い光につつまれ、トリガーをひいた瞬間ソレは小さな火炎の球となってローズレイクに向かって飛んでいき水によって消えた
「とまあ、完全ハンドメイドの魔銃だから俺しかつかえないんだってどうした?」
振り向いたアスカの目に映るのはまたもや目を点にしたシーラとパティ、アレンとアレフは特訓に夢中で気が付いておらず、由羅は酒の肴に最高とばかり拍手をしている
「とんでもないもの持ってるわね」
「そうでもないさ、この街が平和すぎるだけだ」
アスカは悪いことじゃねえよと付け加えると立ち上がり、特訓中の二人に声をかける
「そろそろ昼だし帰ろうぜ、昼から仕事だしよ」
「すまんアスカ、もうちょっとだけやらせてくれ」
「それじゃあ先帰ってるぞ」
そう言ってシーラとパティと由羅の手を順に引いて立たせると一人足りないことに気付く
メロディが知らないうちにいなくなっていた
「由羅、メロディは?」
「メロディならそこらへんに・・あら?いないわね、どこ行っちゃったのかしら」
あたりを見回してもメロデイの姿はまったく見当たらない
「しょうがねえな〜、ちょっと静かにしててくれ」
そのままアスカは眼を閉じて耳をすます
入ってくるのは風の音、ローズレイクの波音に鳥の羽ばたき木々のざわめきそして人の吐息
森の中にある一つの体重の軽い足音にその足音を追う複数の足音に怒声
「めんどくせえことになってんな」
「ちょっとアスカくんメロディどこにいるかわかったの?」
顔をしかめるアスカに不安になった由羅が話し掛ける
「説明は後でする、アレン、アレフちょっときてくれ!」
二人を呼び寄せるとメロディが森にいるらしく誰かに追われていることを伝えすぐに行動を起す
シーラとパティを自警団に行かせリカルドを呼び、残りの4人でメロディを探すことにした
 
 
「おいアスカ本当に森の中にメロディがいるのか?」
「あんな身軽そうな足音メロディ以外にはいねえ、間違いない」
森の中を走りながらアレフにこたえる
早く追いつきたいのだがメロディが闇雲に走り回るせいか立ち止まりつつ足音を聞き追いかける一行はメロディの
姿をみることさえない
「アスカくんまだ追いつけないの」
由羅もメロディが誰かに追いかけられていることに焦ってきている
「このままじゃ」
アスカは少し考えた素振りを見せると右腕を宙に差し出し口笛の甲高い音を立てる
少したった後一羽のカラスがアスカの右腕にとまった
「俺が先にメロディに追いついて合図するから後からこいつの後を追いかけてきてくれ」
そう言うとアスカはもう一度メロディの足音を聞き分けると今までとは段違いの速さで走っていく
「仕方ありませんアスカさんの合図が出るまで待ちましょう」
アレンはその場に座ると落ち着きなく歩き回る由羅を座るようにうながす
「大丈夫ですよ、アスカさんなら何とかしてくれます」
「そうねアスカくんを信じなきゃ、ありがとうアレンくん」
少しは不安を取り除けたのか落ち着いた由羅を見てほっとするアレン
その時アレフは・・二人から離れていた正確にはアレンの肩にとまっているカラスから
「絶対あの時のカラスだよな・・いやでもな、まさかな」
多少カラスがトラウマになっているようだ
 
 
 
「メロディを追いかける輩ねえ」
『おそらくメロディの素性に関係あるのだろうな』
走りながらメロディの置かれている状況を考える
アスカの知りうる限りメロディのような猫型のヒューマノイドはいない、ライシアンが一番近いのだがやはり違うのだ
珍しいからという理由からなら追い払うだけだが、もしその理由がアスカの考えたとおりのものならメロディはアスカ
の探し物の一つかもしれない
「何としてでも聞き出す!」
気合を入れてもう一度足音を探すため目を閉じる
再び聞こえる足音、そして近づいてくる足音に集中しているとアスカは足音の主に突き飛ばされた
「アスカちゃん!アスカちゃん!アスカちゃん!」
足音の主はメロディなのだが慌てているせいかアスカに馬乗りになってわめきちらす
「あ〜もううるさい、アスカだからうえからどいてくれ」
「白い人たちが追いかけてくるのぉ」
「わかったからとりあえずどいてくれ」
「怖いのぉ〜」
何とかなだめて由羅のいるところまで連れて行きたいのだが、メロディに声が届かない
どうしようかと迷っているうちに森の茂みを掻き分けメロディの言っている[白衣の人たち]が現れる
「小僧ソレを渡してもらおうか」
一人のリーダーらしき男が一歩前へ出る、意外にも見た目一番若い男だ
「ソレってまるでメロディが物みたいな言い方だな」
「みたいではなく物だよ、所有物は所有者へ返す当たり前のことだろう?」
年下をさとすようなやんわりとした言い方だが眼はするどくメロディをとらえている
一応飛び掛られないように睨みは利かせているのだがメロディに馬乗りになられている時点で効果は薄い
問答をしている男を除いて一気に飛び掛るつもりかじりじりと間合いを詰めてくる
「・・人工生命」
風に乗らなければ聞こえないような大きさでアスカがこぼした言葉にピタリと男たちが止まる
『今だアスカ!』
ブラッドの声をきっかけにもっともアスカにしか聞こえないが魔銃をすばやく腰から抜き木々の合間から大空へ魔弾
を撃ち出す
撃ち出された魔弾はある程度の高さに上がると大きな音を響かせ爆発した
「小僧なんのつもりだ!」
「何のって誰もメロディ渡すって言ってないだろ、多勢に無勢で仲間呼んだだけだよ大体5、6分ってとこだ」
「貴様〜!!」
馬乗りになっているメロディを押しのけて立ち上がり逆上しそうになった数人の白衣に魔銃を突きつける
メロディが地面で背中を打ってしまったが不可抗力だ
「逃げたほうがいいんじゃない?ここに来る奴の中に自警団の奴もいるぞ」
「ひくぞ・・表ざたになったら消されちまうぞ」
「しかし!」
喰らい付きそうになる部下を眼で黙らせるとひくように指示を出す
アスカはわざわざ突きつけた魔銃を下ろすと男たちが引上げるのをを見逃す
『いいのか?』
「余計なもんメロディに見せるわけにもいかんだろ」
そう言ってメロディの方を見ると、さっき背中を打ったのが相当痛かったのかうつむき震えていた
「あ〜っと・・メロディ大丈夫か?」
「うにゃ〜白い人たちいなくなったから我慢するのぉ〜」
悪い悪いといいながらメロディの背中をさすっていると離れたところから三人の声が聞こえる
1羽のカラスに道案内されて由羅、アレン、アレフの三人であった
「おね〜ちゃ〜ん、怖かったけどアスカちゃんが助けてくれたのぉ」
「も〜駄目じゃないメロディ勝手にお姉ちゃんから離れたら」
メロディは由羅を発見しだい抱きつき、由羅もそれにこたえ抱き返す
そんな姉妹の感動的シーンをよそにアスカはアレンに何か耳打ちしている
そして懐からあるものを取り出すとアレンにお守りだと言い渡し、その場を去っていく
「あれ?、アスカは?」
「アスカさんならできるところまで犯人を尾行するって追いかけましたよ」
アレフはいいのかなあと思いはしたがアスカなら大丈夫だろうと考え直す
「さあ安心してるところ悪いですが今すぐにでも森を抜けるようあるきましょう」
直接的には言わないがまだ完全には安心できないことを言葉から感じ取ったのか全員が歩き出す
アレンも何かあると無意識に感じているのか先ほどアスカに渡されたお守りを強く握り締めた
 
 
 
「追ってくるとはご苦労なこって」
「逃げたほうがいいとはいったけど逃がすとは言ってないだろ」
「そりゃまあそうだ」
アレンには尾行といったがアスカはあっさりと白衣の男たちに追いつきその足を止めていた
「要件は一人いれば事足りるだろ」
そう言うと先ほどのリーダー格の男はアスカのこたえを聞く前に部下を逃がす
アスカも依存はないのか黙って見送る
「要件は1つだ、すべてを話せ」
「すべてか・・まったくせっかちだね、俺の記憶なんて1週間掛けても喋り尽くせないぜ」
「時間稼ぎも意味はないぞ、あっちには俺より強い奴が二人もいるからな」
時間稼ぎが図星だったのかやれやれといった感じで首を振る
「まったく伏兵もばれてるのね」
「足音の数が一人足りなかったからな」
アスカがニヤリと相手を見ると白衣の男も一瞬驚くがすぐにニヤリとする
「そりゃ残念、確かに一人足りないなひそんでるのは腕利き二人だぜ」
何っと言葉に出す前にアスカは懐から赤色の石を取り出し一瞬で白衣の男に近づきその胸元に石を埋め込む
「いいか、その呪いの石を取って欲しかったら今夜ジョートショップまで来い!!」
「ちょっとまてこら、呪って何だよ!」
アスカは白衣の男の言葉を無視してアレフ達がいるであろう方向に走り出す
そこに残ったのは途方にくれる白衣の男一人
「カンベンしてくれよ・・」
 
 
「まったくアスカさんの予想が的中でしたね」
アレンの目の前にはメロディを追いかけていた連中の差し金が一人倒れている
相手は真剣を持っていたのに対しアレンは模擬刀なのだがアスカがくれた石のせいか薄い水の膜が模擬刀を包み
込み真剣となんら変わらない状態となっている
「まったくどうなってるのよ、メロディは襲われるわ変なのが襲ってくるわ・・春かしら」
「変態さんなのぉ〜」
不安を吹き飛ばすために冗談で言っているのだがメロディには冗談とわからなかったらしく一同脱力する
「まぁできればそちらのほうがいいのですが・・実戦はどうでした?」
実際に戦ったのはアレンだったがアレンは実戦をマジかで見たことに対しアレフに感想を求める
「正直何がなんだかわからなかったよ」
由羅とメロディには聞かれたくないのか小さな声で怖かったよとアレンに告げる
「誰でもそうですよ、僕だって怖いのを我慢してるんですから」
「そうなのか?」
「そうです、でも怖いって言う感情以上に強い想いがあるから僕は戦えます」
持論ですけどねと笑うと由羅のほうを見て微笑むアレン
なぜ力が欲しいと思ったのか今一度考えさせられた時、アスカの声が聞こえてきた
しかしまだ遠くでアスカの声が聞き取れずアレンがその場をほんの少し、ほんの少し離れた時今まで隠れていたも
う一人が動き出した
「気を抜くな伏兵は一人じゃない!」
最後の伏兵は木の上から由羅とメロディを人質にするつもりか二人目掛けて飛び出した
アレンは完全に虚をつかれていたため動けなかった
「二人とも伏せろ!」
動いたのはアレフだった
頭で理解する前に二人を強引に伏せさせたのだ
「ぐぁ」
伏兵は邪魔されたお返しとばかりにアレフにきりつけるがアスカの魔銃とアレンの剣のまえにあっさりと気絶するこ
とになった
「いった〜い・・ちょっとアレフくん」
「アレフちゃん痛そうなのぉ〜」
いきなり地面に引きずり倒されたことに文句を言おうとした由羅だが背中から血を流すアレフに言葉を詰まらせる
「傷はそんなに深くはないようですね」
すぐさまアレンが応急処置をほどこし安心できる言葉を放つ
「まったく考えなしに飛び出すなんて」
「悪いかよ、弱いから他に方法がなかったんだよ」
「お前は強いよアレフ、とっさに誰かをかばうなんて俺にはできないよ」
アスカの言葉にむっとするアレフだが次のアスカの言葉に自分の耳を疑った
だが言われたことは現実であった「強い」と
 
 
 
森を出たところにシーラとパティが呼んできたリカルドがちょうどいたため事情を説明したが捕まえたならず者[元伏
]は何も聞かされておらず結局真相はわからないままであった、アスカ以外には
「おぃおぃ呪ってのは嘘かよ」
「見ず知らずの奴に呪いなんてかけるわけないだろ、これはただたんに物体をすり抜けるだけの石」
「かぁー!こんな小僧にだまされるとは俺も終わりだねぇ」
男の胸元から赤い石を取り出すとそれを自分の手のひらから甲へとすり抜けさせる
今アスカはジョートショップで馬鹿正直にやってきた男を自室にまねいていた
「まったく面白い男だよお前さんは、話してやるよ俺が見てきた人工生命のすべてを」