機動戦艦ナデシコ
ースリーピースー
第四十二話[別れの時、さらば愛した人々よ]


「今度こそ、死んじまうな。」

有無を言わさない波に押し流されるように、思考が霧散する中。
ぼんやりとそんな考えだけがうかんだ。
もちろん、慌てて首を振りそんな考え吹き飛ばしたが。
あたり一面、白の世界。空も、地平線の向こうまで、ただ自分と言う存在だけが灰色だった。

「このまま志半ばで朽ちていくのが、貴方の望みですか?」

「バーカ、俺の望みは・・」

思ったとおり現れた、ルイン。
やはりココは俺の心の底か。

「俺の本当の望みは・・」

戦争に勝つことでもなく、和平を実現させることでもなく。br>
「ただ、みんなで笑っていたかった。そこにみんなと一緒にいたかった。」

それが無理なことはずっと前から知っていた。
だからこそ、みんなに笑って欲しかった。たとえ、そこに自分がいなくても。

「外はどうなってる?」

「源一郎は、九十九と秋山等の和平派を連れて木星を脱出。ユキナをシャクヤクに残しておいて正解でしたね。」

「やっぱり草壁が再び主権を握ったか。」

「地球はネルガルを木星軍のスパイ機関として、社会から抹殺しました。ネルガルは解体。一部研究員は吸収され、今までの研究等も全てわたったと考えてよいでしょう。」

まあ、最悪一歩手前ってところか。予想の範囲内だ。
一番最悪なケースは、これに加えて源一郎たち和平派が処刑され、シャクヤクも落とされたときだ。
俺の意識があるってことは、まだシャクヤクが平気な証拠だ。

「悪いけど、いつものように起こしてくれ。」

こっちは気楽に頼んだつもりでも、目をそらされる。

「計算では、貴方の寿命はあと三ヵ月は残っていました。ですが今回の傷は深く、今無理に起きれば一ヶ月持つかもわかりません。それこそ、起きてすぐに死んでしまうかも。」

「だったら、なおさら起きねえとな。」

「ごめんなさい・・ごめんなさい。私はまた、狂わせてしまったのかもしれない。」

泣き出したルインをそっと抱き寄せる。

「泣くなよ、お前が悪いわけじゃない。お前はずっと俺の我侭に付き合ってくれてただけだ・・・だから、もう少しだけ俺の我侭に付き合ってくれ。」





起きてすぐに目に入ったのは、医務室のベッドの横に座っていたアキト。
ルリちゃんやラピスどころかルインの姿も見えず、深刻そうな顔をしたアキトだけがそこにいた。

「暗いぞアキト、そういう深刻そうな顔をするのはコクトだけで十分だ。」

軽口をたたいて見せても無反応なアキトは、俺が目を覚ましたことを確認するとのろのろとイネスさんへと連絡をつける。

「トキアが目を覚ましました。ええ・・・そうです。たった今。」

「なんだよ。何かあったのか?」

「トキア、もうやめよう。ルリちゃんとラピスをつれて、みんなでどこか戦争のないところへ行こう。」

「何を急に。」

「辛くないか?自分にまったく関係ないことが発端で起こった戦争のために、傷ついて、心配かけて。」

これがアキトかと疑いたくなるような、暗い瞳。
戦争のない場所。それはすごく魅力的な話だが、そんなわけにはいかない。
ベッドから立ち上がりドアの所まで歩くと、イスに座ったままのアキトに振り向く。

「安心しろアキト。俺が作ってやる、戦争のない時代をお前やルリちゃん、みんなのために。」

そのままドアをくぐり閉めると、室内で何かを殴った音がしたが俺はそのままその場を離れた。







「はろーえぶりにゃん、ご機嫌いかがぁ?」

努めて明るくブリッジに入ると、絶望の中に光明を見つけたように皆の顔がかわる。

「トキアさん。」

「トキア!」

「おっと、はいはいトキアですよ。いつまでも甘えん坊だな、二人とも。」

抱きついてきた二人を受け止めると、腹に痛みが走ったが無理やり飲み込み笑う。
二人の頭をなでてやり落ち着かせると、皆の顔を見渡す。

「トキア君、ネルガルが・・」

「解ってるよ、アカツキ。予定通りとは言わないが、それもまた予測範囲内だ。」

「予測って、貴方わかっててやったって言うの。」

自分が上り詰めてきた会社が抹殺されたのだ、エリナの怒りももっともだ。すまないと頭を下げる。

「エリナさん、ココは落ち着いて次の行動を承りましょう。」

「解ってるわよ。それで、これからシャクヤクはどう動くの?」

「まずはシャクヤクの現在位置と、木星の和平派の事を聞きたいんだけど。」

「現在シャクヤクは木星圏を離脱し、ちょうど火星と木星の中間にいるよ。和平派の人たちはトキアちゃんたちに遅れてシャクヤクにボソンアウト、現在は客室に招いているよ。」

ジュンが大体のことを説明してくれて、俺はう〜んっと最もらしく考える振りをする。
皆の視線が集まるが、後ろめたいね。何を考えているわけでもない。
だけど、いかにも思いついたようにポンッと手を打つ。

「何か良い案でも浮かんだのか?」

「まあね。現在の状況を逆転させる最高の案がね。」

腕を組んで黙っていたコクトが聞いてきたため、答える。
嘘つきココに極まれり。

「でも、もう少し考えを練る必要があるから、シャクヤクを現在地の火星木星間から離れさせた後、三時間ほど時間を空けてから言うよ。その間休憩、みんな疲れてるだろ?」

「そういえば、みんなあれから全然休息とってないよね。」

「ミナトさん、すぐにでもここから移動しましょう。自動航行でもかまいません。パイロットの待機も解除、クルーは各々休息を取ることを義務付けます。」

「休憩か・・平和になったらどうしようかな。どうせなら一から会社でも興すかな。」

「会計が必要でしたらお手伝いしますよ。」

「こら秘書を抜きに何はなしてるのよ。」

ユリカの言葉に続きジュンが休息の許可をすると、アカツキ、プロストと順にブリッジを後にしだす。

「休憩って言っても寝るわけにも行かないし、どうしますミナトさん?」

「どうしようか・・」

「何もすることないなら、二人とも食堂に来てくれませんか?ついでに今出て行ったアカツキ達にも同じこと言ってきてください。」

「食堂って、何するのトキア君?」

「それはついてのお楽しみです。」

ミナトさんとメグミは少しだけ不思議そうな顔をすると、先ほど出て行ったアカツキたちを追いかける。
二人を見送ると俺はすぐにあたりを見渡し、急いでアキトの元に行こうとするユリカの首根っこを捕まえる。
女らしくないグェっと言った悲鳴をあげたが、正直不可抗力だ。

「副艦長、ストップ。」

「え〜ん、見逃してよトキアちゃん。アキトが〜。」

「別に止めやしないよ。アキトの様子が変なんだ。頼まなくても良いのは解ってるけど、アキトの事たのんだぞユリカ。」

少し驚いた顔のユリカ。

「まっかせなさいトキアちゃん。これで兄妹公認の仲よ、アキト〜。」

まさに浮かび上がりそうなほど浮かれたユリカを見送ると、未だに引っ付いていた妹二人をひっぺがす。

「ほら、いつまでもそうしてないで食堂に行こう。俺が美味しいもの作ってあげるから。」

「はい、ほらラピスこっち。」

「うん。」

ルリちゃんがラピスの手を引いてドアを出て行くと、残ったのは俺とコクトそしてルイン。

「コクトもすることなかったら、食堂に来いよな。それとルイン、悪いな留守番させて。」

「かまいません。私が望んだことです。」

コクトの返事は聞いてないが、たいしたことは返ってこないだろうからブリッジを出て食堂へと向かう。
たぶんコクトも来るだろう・・・たぶん。





「なんだな。ブリッジから食堂に場所が移動しただけだな。」

おにぎりを握りつつ、スープの煮立ち具合をみ、他にもエトセトラ料理をしながら食堂を見渡した感想。
食堂にはブリッジのメンバー、そして一般クルーも続々と集まってきている。

「おいトキア、いきなり食堂を貸してくれってパーティでもするつもりか?」

「いや・・・そんなつもりはなかったんだけど。」

「この人数はあんただけじゃ無理さね。私たちも手伝うよ。」

「「「「「はーい。」」」」」

サイゾウさんやホウメイさんの申し出はありがたく受けておき、おにぎりをラップで包み、さらにふろしきで包む。

「それじゃあ俺少し格納庫に行くんで、ここおねがいします。」

「なんだかよくわからんがいってこい。」

「いってきます。」

「ちょっとトキア君、いったい何を始めるの?」

食堂を出て行こうとすると、ミナトさんに呼び止められる。

「もうちょっと、待っててください。」

それだけ言うと格納庫へ向かう。
ちょっとセイヤさんにやって欲しいことがあるからだ。





「そいつはまた、変わったお願いだな。それぐらいならお安い御用だが。」

「すみません、これ差し入れです。作業が終わったら食堂に来てください。」

風呂敷で包んだ大量のおにぎりを差し出し、セイヤさんに渡す。
頼んだ内容はあんまり意味の無い、気持ちの問題なんだけど。
去ろうとしたら、今度は逆にセイヤさんに呼び止められる。

「ちょうど良かった。トキアちゃん、あいつをエステから引っ張り出してくれ。」

セイヤさんが指差したのは、ヤマダのエステバリス。
なんだか木星を離れてから出てこないらしい。よく見ればリョーコが足元で心配そうに見上げてる。

「どうかしたの?」

「トキアか・・あの馬鹿、みんなが暗い顔するもんだから、あの時もっと自分に何かできたんじゃないかって降りてこねぇんだ。」

「そりゃまた、自分を過大評価してるなぁ・・」

困ったのは一瞬、頼まれた作業を施そうとしてたセイヤさんに謝ると、カトレアに乗り込みハッキングでコックピットを開け、ヤマダをつまみ出す。

「なにするんだ。」

「何かできたんじゃないかって考えるのは悪いことじゃないけど、過去より今できることに目を向けろ。今お前にできるのは、リョーコに心配かけないこと。アーユーオーケー?」

「お・・おぅ。」

返事を聞くと、顔を真っ赤にしているリョーコの前にヤマダを降ろす。
しっかし、いつの間にねえ。意外っちゃー意外だが、納得っちゃー納得。

「ラブラブに気が済んだら食堂に来いよな。」

セイヤさんにカトレアを返すと、整備班から冷やかしを受け顔を真っ赤にした二人を置いて食堂に戻る。
その途中、客室にいるはずのユキナにコミュニケを繋ぎ食堂に来るように呼び寄せた。



「なんだか良くわからないけど、みんなが集まったら騒いでいこうじゃないの。」

「それではみなさん、せーの・・」

アカツキの言葉を引き継いでメグミが流れを作り、最後に食堂中から乾杯の声が上がる。
もちろん、俺もそれに同調した一人だ。
ここまでするつもりはなかったんだけど、とりあえずアカツキ、エリナ、プロスのネルガル組に歩み寄る。

「今は無きネルガルに、乾杯。」

「悲しいことを言うね、トキア君は。」

「今さらあがいてもしょうがないことは解ってるけど・・悔しいわね。」

「この年で再就職はきびしいですしなぁ。」

やっぱり心血を注いできた自社が無くなりショックなのか、老け込む三人。
・・一人足りない。

「ゴートは?」

「ゴート君なら、見回りに行ってるよ。」

「生真面目なことで。」

言葉が切れると同時に、手に持ったジュースを流し込む。

「さっきさ、新しい会社興すって言ってたろ。運送会社なんてどうだ?荷物を受け取ったらすぐに配送、ボソンジャンプ便。」

「重工業から運送業か、やっぱり男たるものチャレンジ精神は忘れちゃいけないね。」

「コストがかからない点は良いですが。」

「ネーミングがいまいちね。だいたいボソンジャンプは最高機密よ。そんなしょうも無いことに使えるわけ無いじゃない。」

「相変わらず厳しいね。」

「いまいちか。いけると思うんだけど、まあネルガル再興には協力惜しまないからがんばってくれや。」

次なるネルガルを肴に飲み始めた三人を置いて離れると、腕をぐいっとひっぱられる。
ひっぱったのはミナトさん。

「も〜、だめじゃないトキア君。ルリルリとラピラピ放っておいたら。」

言われて二人のほうを見ると、隅のほうにポツンといる。

「いや〜、色々とあいさつ回りはしとかないと。ミナトさん、少し二人を見ててください。」

「おじさんくさいよ、トキアちゃん。」

「そうかな?それよりメグミは芸能界どうすんの?」

俺の問いにう〜んと首をひねった後、わかんないと軽く答えてくる。

「ほら、シャクヤクがこんな状態だしね。でも何かしたいって気持ちはあるから、続けるとは思うよ。」

「そっか、応援するからがんばれよ。」

「うん。そうそう、トキアちゃんならしっかりしてるからマネージャー頼みたいんだけど。無理かな?」

「ちょ〜っと、無理だな。その頃は大忙しだから。」

「そっか〜、残念。」

それから以前の休暇中のマネージャーの仕事振りがどうだったとか聞いてると、ミナトさんがルリちゃんとラピスを連れてきた。
酒が入ってるから、大人の空間と化したこの場は居辛いのだろうか。

「二人とも、もうちょっと待っててね。」

ごめんのポーズをとると、ミナトさんを少し離れた場所に連れて行く。

「ちょっと、トキア君。」

「ミナトさん、コクトのことだけど・・」

「え?」

「あいつが誰を選ぶのかわからないけど、最後まであいつを見捨てないで欲しいんだ。」

「何言ってるのトキア君。私がコクト君のこと見捨てるわけ無いじゃない。」

「解ってるけど・・ね。」

もう少しだけ、ルリちゃんとラピスのことを頼むと今度はジュンの居る場所まで行く。
ジュンって人気あったんだな。名前を知ってる人から知らない人まで女の子に囲まれてる。
ちょっとためらったが、無理やりにでもジュンを連れて集団から離れる。

「どうしたの?」

「ちょっとね。」

こちらを疑わしそうに見てる女の子の集団を見渡す。

「ジュンの本命はどいつだ?」

「ほ・・本命って僕はまだそんな、艦長の仕事で手一杯で・・」

「もったいないな〜。今のジュンなら選り取りみどりだろ?」

顔を真っ赤にしているジュン。
そこまで純情だと、逆に俺は心配だぞ。

「僕はまだ、恋愛とかそういうことはいいんだ。男として、自分の仕事に自信をもてるまで。」

「ユキナなんてどうだ、若いし?」

「トキアちゃん、僕の話し聞いてた?それにユキナちゃんはまだ子供じゃないか!」

顔を真っ赤にして怒鳴るジュン。
するとこの大勢の中、なぜか自分が呼ばれたことに気づいたユキナがこっちへ走ってくる。

「私がどうかした?」

「ジュンがお前に気があってな。」

「な・・な・・何を言ってるんだ、トキアちゃん。」

「へぇ〜、ジュンさん私に気があるんだ。へぇ〜。」

「ちが・・あのね。」

もはやしどろもどろに言い訳をするジュンを置いてその場を離れる。
妹と男のツーショットに気づいた九十九が割って入ろうとするが、しっかり排除しておいた。
次のターゲットを探してうろつくと、一人グラスを傾けている説明おばさん発見。

「言っておくけど、お姉さんよ。」

「相変わらず人の頭んなかよみますね。」

冷や汗をかきながら言うと、睨まれた。

「あのね、そんなことより勝手に病室から居なくなるのやめなさい。大事な体なんだから。」

「なんか・・身重な人みたいですね。」

「私は大真面目よ。まったく、医務室は副艦長とアキト君が占領しちゃうし。」

「ユリカが身重になってたりして。」

「言うわね。」

「言いますよ。予防線ですから。」

そのままお互いだんまりになってしまう。
き・・気まずい。

「冗談は置いておいて、無理はしないでよ。」

「善処します。」

再びだんまりになったイネスさんを置いていき、頼んだ作業が終わったのか現れたセイヤさんと話し、
アリウムの人たち、さらにヒカルやイズミと軽いお喋りをしていった。結局、コクトには何も言わなかった。
いまさらルリちゃんとラピスを頼むって言っても怪しまれるだろうしな。

それでようやく、ルリちゃんとラピスの元へと戻ってくることができた。

「おまたせ。二人ともちゃんと食べた?もしなんか他に食べたいものあったら、リクエスト聞くけど。」

「私、トキアさんのラーメンが食べたいです。」

「私も食べたい。」

「そんなことぐらいお安い御用だ。」

ゼロから作るような時間は無いけど、サイゾウさんやホウメイさんが普段使っているものを流用する。
といっても、俺の味は二人の味が基盤となってるから普段と相大差ないものが作れる。
二人の前に何の変哲も無いしょうゆラーメンを置くと、何も言わずにラーメンのスープをすすり麺をほおばる。

「美味しいです。」

「美味しい。」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。」

これが俺が作って上げられる、最後のラーメン。
同じ味ならコクトもアキトも作れるけれど、俺が作るラーメンはこれが最後。
二人が食べている様を脳内に焼き付けるようにじっとみつめる。二人がご馳走様を言うまで。

「トキア、欲しい?」

「うんにゃ。見てるだけだよ。」

途中ラピスが勘違いしたけど。

「ご馳走様でした。」

「ご馳走様。」

二人が食べ終えると、自分のひざを叩き二人を膝上へといざなう。
もちろん体が十四歳の俺だから、二人を手で支えなくてはならなかったが。

「二人とも忘れないでね、今日のこと。さっき食べたラーメンの味、二人を支えたこの手、そして・・」

「何を、言ってるんですか?」

こっちに振り向こうとしたルリちゃんのほっぺに軽くキスをし、ラピスにもキスをする。

「このキスも忘れないでね。」

「よくわかんないけど、トキアがそう言うなら忘れない。」

ラピスはすぐに了承してくれたけど、ルリちゃんは・・
数秒固まった後、顔を真っ赤にして気絶した。

「ちょっと、刺激が強すぎた?」

半笑いで居たけどそのままじゃいられないので、ミナトさんに気絶したルリちゃんと不思議がるラピスを預け、こっそりとブリッジへと赴く。
ブリッジではルインが一人、オペレーター席に座っていた。

「おまたせ。」

「お別れはすみましたか?」

「一方的なものだからなんとも言えないけど。」

最後の仕上げとばかりに、俺はポニーテールにしてある自分の髪の毛を掴むとナイフで切り落とした。
生きてるから遺髪と言えないけど、似たようなものだ。

「行こうか、火星へ。」

「いいですが・・後で切りそろえましょう。変ですよ。」

「もっと浸って行こうぜ。」

こうして一方的ながらも別れを告げた俺は、シャクヤクから姿を消した。
ルインとカトレアをつれて向かった先は火星、極寒遺跡。



















「それで傷つくのはトキアなんだぞ、なんでそれがわからないんだ」

遺言といわれた記録映像には、髪を短くしたトキアが映る
ありったけの想いを込めたトキアの遺言だが、素直に承諾できるはずもなく
全クルーの前で頭を下げるコクト
しかしアキトだけは遺言を受け入れ、受け入れないものを憎んでいた

次回機動戦艦ナデシコースリーピースー
[遺言と一房の遺髪]