我が身に降り注がれる二種の血の雨。 慣れ親しんでいるが心地よいはずのない匂いと纏わり付く様な粘質。 一つは使徒、自分を深き闇のそこへと誘った恐るべき使徒の血。 もう一つはエヴァ、これまで自分の剣となり盾となって共に戦ってきた零号機の血。 決別。 手放したからといって何かが変わるわけではない、変わっていけるかもしれないと言う想いがあるだけだ。 ゼーレがまだ自分を利用するつもりならすぐさま次なるエヴァが送り込まれてくるだろう。 自分はまたそれに乗り、使徒と戦っていく。 だが、確実にいままでと違うものがあった。 ゼーレのためではなく、自分のために、二人のために・・・ 渚 カヲルの心には五感が感じる血の不快感を圧倒的に超える心の安息が広がっていっていた。 「目が覚めたか?」 まだ半分も開いていない所にシンジの声がかかる。 振り向く為に起き上がろうとするが、体の筋肉が全て沈黙してしまったかのように重く身じろぐことも億劫だった。 「軽い衰弱状態だそうだ。完全に目覚めたエヴァの自我を押さえ込んで殺したんだ。よく生きてたなと思うぐらいだ」 驚きとそれ以上に呆れの含まれた声だった。 その行為もさることながら、シンジはリツコからディラックの海の向こうの話を聞いていたのだ。 宇宙と表現していたもののその実態は宇宙より酷く、生物も無機物も存在しないただの空間。 そんなところに何時間も閉じ込められていた後なのにとその精神力には苦笑いするしかない 「そう、か。あのあと気を失って」 「ああ、すぐに回収された。検査も全て良好、衰弱も明日になれば回復するそうだ」 「使徒は?」 「聞かなくても解っているだろう」 「そう・・・だね」 意識の置くにある箱を開くように思考を導くと手の中に現れる生命の実。 これでダブリスのを含め六つだが、カヲルはその事については殆ど関心はなかった。 使徒のことを聞いたのもはぐらかすためだ。 どう切り出せばいいのだろうか、そもそも切り出すようだことであろうか。 使徒とはこれまでと同じように戦う。 だがもはや現人神になることに興味もなければ未練もない。 ましてシンジと戦う事など・・・・・・ 「そう言えばアスカちゃんは・・・」 結局でたのはまたはぐらかしの言葉だった。 別に結婚してくれと言うわけでもない、ただ降りるといえば済むのにと自分の小心がおかしかった。 「アスカは送り帰らせた」 「送り帰らせた?」 心配そうに眉を寄せたシンジの言葉をそのまま返す。 「酷く顔色が悪かったからな。おそらくあの光景を見たためだろうが・・・職員のなかにさえ気分の悪くなる者もいたらしいからな」 「確かに、あの光景は女の子にはきつかったかもね」 だいたい降り注ぐ血の雨などと言う光景はありえることではない。 それが大量に、しかも人外のものであればそこに恐怖を抱く理由は幾らでもあるだろう。 だがしかし、なんであろうかとカヲルは心に押し寄せる不安を抱いていた。 自分でもあの光景が生理的に受け付けられなかったと言ったではないか。 他に理由は思いつかないはずだと何度心で繰り返しても不安が一向に治まらない。 ふと、あの光景の降りしきる血の雨のなかに自分も登場人物としていたことを思い直す。 生理的嫌悪を抱く光景のなかにいた自分。 最初はまさかなと笑い飛ばそうとしたが、うまくいかない。 「どうかしたのか?」 「いや、なんでもないよ」 不安が顔にでていたのか覗き込むようにカヲルの顔色をうかがうシンジに笑い返すのが精一杯だった。 「明日になれば学校でアスカに会えるだろう。だから今はゆっくりと休め」 「そうだね。ありがとう」 カヲルが目を閉じると、シンジの足音が遠ざかりドアが開き閉められる音が聞こえた。 自分の呼吸音以外聞こえない静寂の病室。 一人目を閉じた暗闇の中でゆっくりと眠りに陥る事ができるほど抱いた不安は浅くなかった。 「渚、倒れたって聞いたから心配したやんけ」 「鈴原君」 次の日の朝病院から登校し、教室のドアを開けたカヲルにトウジが真っ先に駆け寄った。 そのことで同じかそれ以上に心配したクラスの女子多数が駆け寄れずいらぬ恨みを買っていることを彼は知らない。 「トウジ、シンジが大丈夫だって言ってたろ?」 「アホゥ、それでも心配するのが友達っつうもんやろが」 どんな風に聞かされたいたのか、手をとりブンブン振り回すトウジにカヲルが苦笑する。 おそらくシェルターへ避難した時と聞かされた時が重なった事からある程度使徒を予測しているのだろう。 チラリとすでに席についているシンジへ視線を寄越すと自分と同じように苦笑していた。 シンジと放れて苦笑しあっていると、自然と視線がアスカの席へと移っていった。 だがその席に主の姿はなく、ぽつんとやけに寂しそうにカヲルには見えた。 もしかするとそれはカヲルの心情そのものだったのかもしれない。 まだ着ていない事への安堵と不安を同時に感じていると閉めたはずのドアが開いた。 「お、惣流やんけ。おはようさん」 「・・・・・・・・・おは」 いまだあの光景がこびり付いているのか青い顔をして俯いていたアスカは自分に背を向け、トウジと向き合っている人物に気付くのがすこし遅かった。 「アスカちゃん、おはよう」 トウジから僅かに遅れて振り向いたカヲルが不安を押さえぎこちなく挨拶を投げかける。 その時のアスカの変化は劇的であった。 カヲルの声に導かれるように顔を上げると、青かった顔色が蒼白となり瞳が間違いなく怯えを抱いていた。 もしここが教室でなく二人だけなら悲鳴すらあげていたのかもしれない。 いや、僅かに開かれた口からは声すらでなかっただけだろうか。 「アスカちゃ」 カヲルが力なくアスカへと手を伸ばすと、同じだけ・・・それよりもさらにアスカが後ずさり距離をとる。 意識しての事ではないのだろう、アスカ自身もその事に驚いていた。 だが意識してだろうが、無意識だろうが、カヲルの伸ばした手は重力に引かれる様に落ちた。 何故と聞かなくても理由は容易に想像できたからだ。 今自分はどんな顔をしているのだろうと思ったカヲルの顔は、逆に笑っていた、寂しそうに。 「ごめんっ」 突然背を向けて走り出したアスカをカヲルが追いかけることはなかく、走り出したのはシンジだった。 カヲルの脇をすり抜ける間に一言残していく。 「連れ戻す。待っていろ」 答を聞く前に走り去ったシンジは、すぐさまアスカの背中を視線の中にとらえた。 階段を駆け上がっていったことから行き先は屋上だろうとあたりをつけ、さらに走るスピードを上げる。 まどろっこしい階段を数段飛ばしつつ登り、目の前で力強く閉められたドアを再び殴りつけるような勢いで開く。 屋内とは違う正真正銘の光が視界一杯を奪う。 光の先にいたアスカは、膝をついてうなだれ屋上の柵を力いっぱい握り締めていた。 その肩が震えていた。 「アスカ」 「今日ほど、自分が嫌な子だって思ったことない。カヲルが無事帰ってきたのに・・・嬉しがりもしないでカヲルを怖がって。ねえ、私どうしたらいいのいかな。わからないよ」 予想していた内容だったが、涙まじりの声がシンジの心を揺さぶった。 それは嫉妬だ。自分の好きな少女が別の男の事で涙をながし後悔の念を放つ、それの相手が例えカヲルだとしても。 「本当は謝るつもりだったのに、逆に傷つけて!」 「アスカはカヲルを怖がったわけじゃない。使徒とエヴァに憶えた恐怖を最後にたっていたカヲルにたまたま投影しただけだ」 「でもそれがカヲルを傷つけたのよ!」 アスカの懇親の叫びから、シンジに嫌な考えが浮かんでしまう。 それを振り払い、できるだけ穏やかな声をつとめて放つように言った。 「大丈夫だ」 その一言で振り返ったアスカの目にはやはり涙が浮かんでいた。 再度誘惑に襲われながらもシンジは鉄の自制心で耐える。 「大丈夫だ。カヲルを怖いと思ったわけじゃないなら、素直に謝ればいい。カヲルなら許してくれる」 もう他に伝えようがないとシンジはアスカに背を向けて屋上のドアを閉めた。 思い足取りで一段一段降り、階と階の狭間でシンジは拳を思いっきり壁にたたきつけた。 本来物を殴る為の型ではなく無造作に握った拳は皮が破れ血がにじんでいる。 ジクジクと広がる痛みがシンジの罪悪感をさらに広げていく。 「最低だ」 シンジもまた自己嫌悪に駆られていた。 アスカが自分ではなく一心にカヲルを想う事が嫌だった。 一瞬でもこのままこじれさせアスカがカヲルに、カヲルがアスカに近づけないようにと考えた自分が嫌だった。 再び一段一段、階段を降り出した足取りは重い。 少しざわついている教室。 シンジはそのドアの前で立ち止まると、一度大きく息を吸い心を切り替える。 何度も心の中で先ほどカヲルへと抱いた感情を押さえ込むと、意を決してドアを開けた。 教室中から一斉に向けられた視線は、興味を抱くだけの者、純粋に状況を心配している者、楽しんでいる者と様々であった。 もちろんトウジやケンスケ、ヒカリといった三人に近しいものは心配しているようだが、シンジは手でその三人を控えさせると真っ直ぐカヲルの元へと歩いていった。 「なにをしている?」 まだホームルームも始まらないうちから帰り支度を始めているカヲルに問い掛ける。 なんとも無表情な顔つきで帰り支度を始めていたせいだ。 「どうやら連絡の手違いでね。今日、エヴァの二号機がアメリカから届けられるらしってさっき連絡があったよ」 「今日? 俺にはなんの連絡もなかったが・・・まあ、いい」 カバンをとりに机へ向かおうとするが、カヲルが制する。 「松代で起動実験だから、シンジ君には連絡がなかったんだと思うよ。スタッフもアメリカから送られてきたみたいだし」 カヲル自身もそうだが、何か話がおかしいとシンジは感じていた。 まだ起動に至っていないエヴァは何かと不安定で入念な準備期間とチェックが持たれるはずだ。 なのに当のパイロットは当日まで話すら聞かされず、何より何故アメリカからなのか。 ゼーレがカヲルのために送るとしたら、ドイツからのはずなのに。 「ゼーレも色々と焦ってきているのかもね。いくら僕が現時点で生命の実を多く持っていても、戦闘力と精神力共に君よりはるかに劣っている」 「おいっ!」 ゼーレを持ち出すどころか、自分たちの価値がそこにあるかのような言い草に思わずシンジがカヲルの胸倉を掴んだ。 声こそ潜めて聞こえてはいないだろうが、この行動にまた教室が騒がしくなる。 「シンジ、やめぇや!」 「よくわからないけど、渚もストップ!」 カヲルがシンジの手をはたいた所でさすがにトウジとケンスケが止めに入った。 だが手は止められても口までは止められなかった。 「君にはわからないだろう。全てを自分で選び、決断してきた君には。全てを決められ、流され・・・唯一自分で選んだアスカちゃんにさえ避けられた僕の気持ちなんて!」 アスカを選んだと言う言葉に揺さぶられつつも、シンジは手を緩めなかった。 「信じられないって言うのか、アスカが」 「わからない、けど」 シンジの低い声で、激情にかられたカヲルの熱が冷水をかけられたように急速に覚めていく。 片づけケ終わっていたカバンを手に取るとシンジの顔を見ないように脇を通り抜ける。 二人が重なるその一瞬、カヲルは言葉を残した。 「アスカちゃんがまた前のように戻ってくれたら・・・僕は信じられるかもしれない」 校庭にでたカヲルの上空から風を乱しながら一機のヘリコプターが降りて来る。 秘密裏と言う言葉をしらないのか、現状の伝達が上手くいっていないのか。 カヲルはアメリカ式のやり方に呆れはてた。 風を乱すのをやめないまま着陸したヘリコプターから現れる一人のスタッフと軽く握手をかわすと、促されるままにヘリコプターに乗り込む。 「ではこれが二号機の資料になります。零号機の特殊戦仕様ではな、どちらかと言うと初号機と同系機でしょう」 もっともスペックは遥かに上ですがという言葉をカヲルは表情を変えることなく聞き流した。 人が作り出せるスペックの差などとても小さなことであるからだ。 エヴァはパイロットの生命の実しだいで劇的に変化する。 そんな幾人もしらない事実を当然知らない眼前のスタッフは嬉々として説明を続けている。 ゼーレがどんな風に言ってアメリカ産のエヴァを輸送させたのかわかる反応だが、辟易する。 耳から強制的に聞かされる情報をシャットアウトするために、カヲルは教室でのシンジとのやり取りを思い出した。 アスカが前のように戻る・・・言い換えれば、信じてくれたら自分も信じる。 それは本当に信じていることになるのだろうかと思う。 「ッ!」 垂直に飛び、方向を定めて学校から飛び去ろうとした時、カヲル窓の向こう屋上に人影を見た。 アスカである。 自分がヘリコプターに乗っていることを知っているかのように、見つめていた。 少し過剰な反応にスタッフが不信そうにするがカヲルは無視を決め込み、先ほどのシンジとのやり取りを思い出す。 先ほどシンジの前で、アスカが今まで通りに戻ってくれたら・・・言い換えれば信じてくれれば、自分もまた信じると言った。 信じてもらえれば信じる。 一見、互いに信じあうと言う行為に思えるが、本当にそうなのだろうかとカヲルは思う。 本当に信じると言うのは相手がどのような過去をもち、どのような態度をとっても変わらずに信じることこそ、本当の意味で信じること、信頼につながるのではと。 信じるとは、信頼とは何か。 身近にありそうで決して身近になかった言葉を考えている間にふと時計を見るとかなりの時間がたっていた。 先ほどのスタッフもカヲルが無視を決め込んだことに気付いたようで、いつのまにか説明も終わっていた。 だがカヲルの意識が自分へと向いたことに気付いたのか、窓の外を指差した。 「あれが、アメリカの技術を結集したエヴァンゲリオン二号機。これから君が乗る機体だ」 やはり自慢の入った誇らしげな言葉だったが、今度はカヲルも聞き流しはしなかった。 エヴァの長距離輸送用の飛行機につるされた二号機は、その体を固定させるために鋼鉄の十字架に貼り付けられていた。 零号機と対極にある漆黒に染められたボディ、赤い十字架に貼り付けられたその様は罪人・・・もしくは。 「色同様、零号機と対極にある・・・堕天使か」 カヲルの頬に、緊張の汗が伝った。 ついて早々カヲルは今回の起動実験の責任者と面会を通し、ロッカーへと案内された。 責任者もはやりアメリカ人であり、カヲルもかすかに異変を感じ取っていた。 何故ドイツからではないのかという事である。 別に知らない人ばかりだから緊張しているわけではと一度は否定したカヲルだが、思いなおした。 それは、ドイツの頃となんら変わらない、あの頃も名をしるスタッフなどほとんどいなかったからだ。 だがもしこれが日本の本部ならどうだろう。 同じチルドレンのシンジや、保護者兼上司であるミサト、エヴァの責任者であるリツコ。 それだけではない、オペレーターや果ては食堂のおばさんでさえ名を知っている場合もある。 「ファーストチルドレン、着替えは終わったか」 ロッカーを開けて入ってくる一人のスタッフ。 なにより本部の人たちは、よほど・・・司令であるゲンドウなどが入る場合を除いては肩書きではなく名を呼ぶ。 「すでに、終わっています」 「ならすぐにケージに移動だ。スケジュールの時間が押している」 チルドレンをスケジュールにあわせる事も、本部では少ない。 「なんだ?」 苦笑とも冷笑ともとれる笑いにスタッフが反応した。 「いえ、軽いホームシックみたいなものですよ」 本気でそうとったかどうかは不明だが、気にすることではないとスタッフが先を歩き出した。 スタッフはすべてアメリカ人なのにカヲルはドイツ支部と似ていると感じた。 自分を肩書きで呼ぶことや、自分に求められる期待感・・・もっとも老人たちほどでないにしろ。 ケージへと向かいながら、カヲルは自分で選ぼうと決心した。 もうこの自分をチルドレンとしか、資格者としてしか見てくれない状況を脱しようと。 そのこと自体は前回の使徒戦の後にも思ったことだが、いま更にその決心がかたまっていく。 ゼーレから離れ、シンジのもとへ・・・アスカのもとへ。 そう決心しただけでカヲルの中にあたたかい気持ちが生まれる。 大好きな人達と、このままずっと。 「なっ!」 いつの間にかケージまでたどり着き、二号機の目前を通り過ぎるときカヲルは誰かに握りつぶされるよな感覚を受けた。 比喩ではなくやけに現実味を帯びたそのせいで、すこし後ずさり二号機を正面から見据えた。 黙って目しているが、先のは二号機なのだろうかとカヲルの足がとまった。 「なにをしているファーストチルドレン。こっちだ」 すこし苛立ちを持った声に何とか反応して足を踏み出していく。 なんども二号機の顔へとふりむきながら前をあるくスタッフへとついていった。 エントリープラグに搭乗し、エントリーされた後も先ほどの余韻・・・いや、握りつぶされるような圧迫感は続いていた。 単純な整備不良なのか、それとも自分がチルドレン、資格者だからこそ感じるものなのか。 やがて吐き気まではじまり、カヲルは我知らず口元を抑えた。 『気分が悪そうだが、平気か。ファーストチルドレン』 「平気です」 スクリーンにこの実験の責任者が映し出されるが、そうとしか答え様がなかった。 とても起動実験を中止してくれといっても聞き入れられるとは思えなかったからだ。 『ならばいい。それ』 それではと言った責任者の画像に乱れと雑音が混じる。 いぶかしむ暇もなく、それはゼーレのキール議長の映像へと変わる。 突然の面会、自分の離心を見透かすようなタイミング、この不快な圧迫感・・・カヲルの背筋が凍る。 「・・・議長」 『我らが資格者、渚カヲルよ。これが我らがお前に送る最後の言葉になるだろう』 「逃げてください!」 スピーカーのボリュームを最大にして、カヲルは実験場の全てに聞こえるように叫んだ。 おそらくそとからこのキールの映像は見えないのだろう、そこまでゼーレもまぬけじゃない。 突然のパイロットの錯乱に外が騒がしくなっている間もカヲルはどんどんと圧迫感が強まるのを感じていた。 「逃げて、早くここから逃げてください!」 『落ち着け、一体どうしたというのだ』 「時間がないんです。だから、早く!」 『いままで、ご苦労だったな』 まるでその言葉が銃のトリガーを弾いたようにエヴァのエネルギー残量値が無限大を示し、光が生まれた。 (シンジ君!) それは声なのか思念だったのか。 最後のカヲルの叫びも、光の産声に消し去られた。 |